第10話
二人は遂に、桃太郎の下へと辿り着きました。
「最終回の予感・・・!」
「ガンツ、ジィさん、バァさん、ランディ、仇を討ってやるからな」
「オイラはココニイルヨ・・・」
「よく来たな」
王座に座る桃太郎の瞳は、妖しく光っていました。
「お前が人間の誇りを捨てたクソ野郎か」
「フン、貴様に何がわかる・・・」
桃太郎は立ち上がり、語り始めました。
「初めは私も世界を救うつもりだった」
リンゴ太郎は鼻糞をほじり始めました。
「各地で鬼達を倒した私は、いつか勇者と称えられるようになった」
リンゴ太郎はでっかい鼻糞をほじり出して、気分が良さそうでした。
「だが愚民共の態度は変わった。私が鬼を倒す事を当然の事と意識し始めたのだ」
リンゴ太郎は尻をかき始めました。
「どこの村に行っても、愚民共は早く鬼を倒せと私を急かすばかり」
リンゴ太郎は尻のかきすぎで、尻を痛めてしまいました。
「休む暇も無い。鬼を倒せば次の鬼が現れ、愚民共はまた私を急かす」
リンゴ太郎はそろそろ真面目に話を聞き始めました。
「私は思った。この愚民共の為に、私は世界を救おうとしているのかと」
ランディは話の始まった所から眠っていました。
「そしてゴンザレスに説得され、決めた。私が世界を支配し、愚民共を調教するのだ」
「このSMヤロー!」
ランディは調教という言葉に反応し、目を覚ましました。
「神にでもなるつもりか?クソ野郎め」
リンゴ太郎は言いました。
「お前のやってる事は、その『愚民共』よりも酷いぜ」
「そうだそうだ!」
桃太郎は少し顔を歪めました。
リンゴ太郎は続けます。
「世界を支配するなんてな・・・俺がやるに相応しい事なんだよっ!」
やはり何かが間違っていました。
桃太郎は再び語り始めます。
「一度金が底をついた事があった。私の仲間ウォルフは、己の息子を売る事になった・・・」
ランディは再び眠り始めます。
「ダンカンはマクドナルドでバイトする事になった・・・フィレバルドは焼き鳥ショーで稼ぐ事に・・・」
「おいおいお前もギャグキャラかよ・・・重い話はウォルフのだけじゃないか。しかもお前は稼いでない!」
「愚民共は、恩人である私達に、何の援助もしなかったのだ!」
桃太郎は刀を抜きました。
「しかも私は器量が良いからと、ゲイバーで働く事になったのだ!」
リンゴ太郎は、少し不憫に思いました。
「話はここまでだ。後は勝者のみが正義となり、語る事を許される」
桃太郎の瞳は紫色に光り、闇の力を解放しました。
「待てよ、俺の話はまだ済んでないぜ」
リンゴ太郎も刀を抜き、光の力を解放しました。
「俺の小話『半ケツ物語』を聞きやがれ!」
リンゴ太郎の体は輝き始めました。
「来いリンゴ太郎・・・」
中でもアソコの輝きは、他と比べ物にならない程でした。
「ストーップ!」
ランディは目を覚まし、叫びました。
「全く下ネタしか無いのか」
屁をこきながら、言い放ちました。
「そして君たち話が長いから勝負は次回に持ち越しだ」