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21 焦り

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 逃げなきゃ、早くここから。

 私のせいにされちゃう。


 あの子が殺られた。

 お前は逃げて来たのね。

 どうしよう。

 あの人たち、何なの。

 でもこのままじゃ私がやったって思われちゃう…。


 ――キィ、キィ、キィ…


 お前、だめだって言ったのに。

 もうやめてって言ったのに。

 今だってあんなこと。

 ねえ、どうして言うことを聞いてくれないの? 


 どうしたら…。

 そうだ、やっぱりあの人を見つけて、この子たちを私にくれたあの人を捜して、もうやめるように言ってもらわないと。

 もう私の手には負えない。

 私じゃどうにもできない…




 次々と目まぐるしく浮かんでは消える想いに、思考が追い付かないまま、深山麻里子は彼女のもののけたちの創った結界の消えた中庭から、ふらふらと逃げるように歩き出した。

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