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 3人は街道沿いのレストランで食事を取っていた。

 

 レンガ造りの店内はとても広く、昼時なので大変に混み合っている。

 いくつも並ぶ窓からは暖かな日差しが差し込み、お客達の談笑のざわめきと料理やお酒の匂いが店内に立ちこめていて、夏の穏やかな日常がここに満ちあふれていた。

 

 ジャックは美味しそうに料理を食べながら、向き合うルークに聞いた。

「今日は、プリシラ姫はお留守番なんですか?」

 優しそうに微笑んでいたルークの眼差しが鋭く光り、アレンが胸元に隠す銃に手をかける。

「あっ、やだな~2人とも。たんなる疑問の、普通の質問ですよ。私は前の私と違います。ニルス様に忠誠を誓ったのですから。つまり、ルーク様には逆らいません」

 アレンはルークに、不思議そうに聞いた。

「ルークに逆らえないって、どういう事?」

 ルークは笑顔を作ると、

「俺に真面目に仕えた後に、ニルス王子への就職紹介状を書かせる気でいるんだ」

 ジャックはニコニコと笑いながら、「そうなんです」と答えた。

 アレンは胸元から手を引くと、

「ジャック、それなら尚更だ。ルークの前ではプリシラ姫の名前と話題は禁句だ。どこで誰が聞いているか分からないからな。それと悪いけれど、俺は100%君を信用はしていない。もし、おかしな行動を取れば手加減はしない」

 怖い顔のアレンに、苦笑いをしたあとにジャックは素直そうに言った。

「分かっています。ニルス様にとって大事な姫様と、姫様の大事なルーク様とアレン様です。命にかけて裏切りません。ません…から、紹介状には巧いこと書いて下さい」

 ルークも「大丈夫だ」と笑った。


 食事が終わり、ジャックはトイレに行って席をたっていた。

 アレンが不安そうにルークに聞く。

「あいつ…本当に信用して大丈夫なのか?」

 ルークはグラスに残ったワインを惜しむように飲んだあとに、笑いながら言った。

「アレンは心配性だな。そう…だな。裏切ったら、そう…殺すだけだ」

「そう…だな。で、この状況を…姫君には知らせたのか?」

「あぁ、不安になっていると悪いと思って…城を出る前に手紙を出しておいた」

 

 

 

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