初見7
ソファ姫のあとに3人くらいと踊った。
周りから、ソファ姫との仲を誤解されてしまうのが嫌だったから…。
酔って何人とも踊るとさすがに疲れてしまい、フロアの隅で休んでいたところにアレンが走って来て、
「ルーク、これからエドモンド卿が来るぞ」
「エドモンド卿って?」
「アローゼ国のエドモンド卿だよ。エドモンド卿が苺店のオーナーなんだよ。オーナーだったらあの娘の情報何か知ってんじゃないのか?」
「あの娘…?」
酒とダンスで頭が回らない。
「苺姫だよ」
苺姫と聞いて静止しかけていた脳に一気に血流が駆け回った。
すぐに、イスから立ち上がると駆け足で華やかなホールを抜け、ホール入り口近くに移動した。
「今、到着されたみたいだ」
アレンが囁く。
荘厳な入り口ドアが開いた…のが見えた。実際は、目の前の人の壁でよく見えていなかった。国王夫妻(両親)が挨拶している。俺とアレンも人をかき分けて、前へ歩み出ると、俺を見つけた父王は、
「第一王子のルークと親友のアレンです」
俺とアレンは会釈した。
穏やかに笑みをたたえたエドモンド卿は、
「初めまして。このように立派な王子殿を持ちガーランド王国は末永く安泰でしょう。今日は私の二の姫を連れて参りました。よろしければ、お見知りおき頂ければと。さぁ、プリシラ前に…」
二の姫と紹介されたのは、薄いシルバー色地にレースと花飾りのドレスを着た…、
(苺…姫?)
「初めまして…あら?」
「お知り合いだったのか?」
エドモンド親子は仲が良さそうだ。
「お話ししたでしょう?毎日苺を沢山買って下さったお客様よ」
「おぉ、その節はお買い上げありがとうございました」
「あっ、いいえ」
言葉が出てこない。
苺姫が…美しくて。