あなたが好き…で
翌日の午後にニルスを迎えに来た馬車も3台で、前後の馬車には昨日と同じく2人づつの護衛兵の姿があった。
ニルスとトーマスが、真ん中に乗り込むと馬車は静かに出発をした。
「これは、国に帰ったら何かしらのお礼をしなければなりませんね」
「僕は、この国に一切の借りを作らないで、プリシラと帰るつもりだったんだ…。それなのに…」
流れる景色を見ながらニルスは呟いた。
トーマスは静かに微笑んでいる。
馬車がオズワルド家に着くと2人を降ろして、馬車は馬車寄せに停まった。
すると先頭の馬車から衛兵が飛び降り、すぐに馬車のカーテンが閉まると少ししてから、メイド姿のプリシラが飛び出してきた。
「ねぇ、2人とも!見て見て。ガーランド城のメイドの衣裳可愛いの~凄い~」
最初に降りた衛兵はルークで、後ろの馬車からはアレンが降りてきた。
「凄い可愛いですよ。姫君が着ると全てが極上のドレスに見えますよ。プリシラ姫?ルークなんて見とれて固まってますよ。ルーク、ヨダレ出てる…」
ルークは顔を赤らめながら、
「アレン、ヨダレなんて出てないぞ。プリシラ、本当に可愛いよ」
「でしょう?これ貰っちゃっていい?」
「プリシラ、衣裳の事は帰ってからだよ。ニルスの後を追うんだ」
「はーい」