バケーション。
ルーク様が帰ったあとに、二度寝して目が覚めたのは10時だった。
窓の外から、何かの気配がする。
(これも…女の勘ね)
すぐに着替えて外に出ると、ウロウロする怖そうな大型犬3匹と衛兵が数人立っていた。
「おはよう、プリシラ」
「お母様、これは?」
「先程、城から来られたのよ。強そうな犬達ねぇ。これで安心ね」
楽しそうに散歩してます。…けど?
「お母様。それで、泥棒の事は何か分かったんですか?」
「ああ、それなら今、ジュリアンが警察に行っているから何か聞いて来るんじゃないかしら?待っていましょう」
「はい」
執務室に入ったルークの元にアレンが訪れた。
「プリシラ姫の邸に泥棒が入ったんだって?姫は無事なのか?」
「プリシラは大丈夫だ。犯人は警察で聴取中だ。だけど、あれは、普通の泥棒じゃない」
「犯人が、何か話したのか?」
ルークは首を振った。
「何も…」
アレンは不思議そうに、
「じゃあ、何故わかるんだ?」
「警察が調べても犯人の背景が見えてこないらしい」
アレンはソファに座って、
「背景っていうのは…?」
「…家族構成とか、泥棒に入った理由も金銭的な事なのか、エドモンド卿への恨みなのか、調べても分からないらしい。ある日、突然王都に現れてエドモンド邸に入った…」
2人の目が合う。
アレンは呆れたように、
「思いっきり黒いな…。ソフィア様か?」
「…。証拠がない…」
アレンがドヤ顔になって、
「よし!ルークは仕事していてくれ。俺が聴取に参加してくる」
「なっ!待て!」
走るアレン。
追うルーク。