バケーション。
ゆっくりと流れる窓の外の景色。明るい光が馬車の中をキラキラ照らし出している。
私を見つめるルーク様の瞳もキラキラ輝いていて…眼力王子様ですね。
あまりにも見てくるので、何かおかしいのかと思って、
「ルーク様。私、何か変ですか?」
「今日のドレス姿もお人形のように可愛いなって。それと、こうして目の前にいてくれるのが嬉しいんです。1ヶ月も側に居てくれなんて申し出は…普通は断られますから…ね」
ルーク様、ごめんなさい。
私達親子は、自国の国益を優先しました。
「それから…、2人でいる時は、様とかつけるのやめましょう。…プリシラ」
お願いです。小首かしげて、照れないで。私には眩しすぎる。それに無理です。王子様を呼び捨てるなんて。…国家犯罪者になります。
「呼び捨て…ですか?」
「呼び捨てじゃない。仲良しの証拠です」
「はぁ…」
(ちょっと、全身くすぐったい…)
ルークは、自分でも照れながら言っているのに、目の前のプリシラがモジモジと照れているのを見て、可愛い。…このまま城に連れて帰えれたらいいのに。と、考えていた。
「プリシラ…」
(自分で言ったけど、名前呼びは照れる…)
「プリシラ、明日から2~3日、公務が忙しくて会えなくなります。だから、今日は楽しもう。行きたいところとかあれば言ってほしい。どこでも連れて行きます」
(会えなく…なる)
「お忙しいんですね。お仕事を頑張って下さい」
「あはは。…会えなくて寂しくなる。って、言って欲しかったな」
(あっ。マズい…)
「ごめんなさい…」
「プリシラ、謝らないで。キスしたくなりますから」
(一生、謝らないぞ…)