バケーション。
綺麗なお庭が見える部屋で、ルーク様とお茶をしていた。
そこへ、アレン様が来ると小声で何かをルーク様に話しかける。
ルーク様は、
「プリシラ姫、少し席を外しますけど、待っていて下さい」
と言って、2人でいそいそと何処かへ行ってしまった。
はぁ…。
置いてけぼり…。
私は、暖炉の上の肖像画のお爺ちゃんとお話ししていますよ。
(ルーク様のお爺ちゃん?(多分)私は、ルーク様との事を…どうしたらいいのでしょか?)
肖像画は、静かにどこかを見ている。
(お爺ちゃん…無口ですね)
執務室で、アレンに自分のスケジュール表を見せてもらったルークは、
「やはり、無理か…、プリシラを1人で大臣家に行かせたくないんだよな」
アレンは、
「ルークがいないとこっちの公務の方が難しいな…。あっちを断る事は?」
「断ると、後々…遺恨が残るだろう。プリシラが不利になることは避けたい」
将来、王妃(予定)になるプリシラの弱点を作りたくない。
悩むルークにアレンは、
「俺が付き添って行こうか?嫌がらせをされるか…心配なんだろう?」
「さすがに嫌がらせはないと思うけど、アレンがついて行くとなると、公務が進まなくなるし…、あっ!」
ルークは顔を上げた。
煌めくような風にのって小鳥の声が、窓の外を流れていてく。
夕方になって、ルーク様とエドモンド邸に帰って来た私。
目の前には、…母と兄。
…多分、お城からお使いが来たのだろう。
『ルーク様が夕方2人に挨拶に来る』と。
目の前にいる母と兄は、夜会に行くの?みたいな衣装とお化粧で目いっぱいに着飾っていた。
思った…通りだった。
なぜ…?普・通・に・し・て・な・い?
「ご挨拶が遅れて申し訳ありませんでした」
ルーク様は微笑みながら、丁寧に挨拶してくれた。