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初見2
「国際結婚ってなればただでさえ色々と面倒なのに、苺の姫君はどう見ても…平民だろう?」
苺姫は赤い苺模様のワンピースに白いエプロン姿で店の中で微笑んでいる。
「結婚なんて考えてないよ」
ルークは呟く。
「だいたいだよ?ルーク、ソフィア姫はどうすんだよ」
ソフィア姫はガーランド国の大臣の姫君で、才色兼備で輝いていた。
「彼女とは何でもない」
「ルークは何でもなくても、本人や周りの大人たちはそうは思ってないかもなっ」
アレンの言葉にルークは眉をしかめる。
幼なじみから側近になったアレンは、親友が気の毒になったのか、苺店に歩き出す。
「アレン…」
驚いたルークは後を走った。
「やあ、お嬢さん。売れ行きはどうですか?」
「ありがとうございます。とても売れ行き好調なんです。…あら?」
アレンの隣のルークを見つけて微笑む。
「いつもお世話になっています。今日はどうなさいますか?」
「今日も…、全部」
驚くアレン。
「ありがとうございます」
苺姫はそう言うと、並べられていた苺を全部台車に載せてくれた。
デレデレ顔のルーク。
ニコニコ微笑む苺姫。