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出逢い3

 出店前にガーランド王国の広場に下見に来たプリシラたちは広場の大きさに驚いた。

 

 広場の中央にある人魚の銅像付きの噴水からは派手に水が噴き出し、大きな教会には鐘楼や綺麗な時計もついていて、街並みもとても美しくて目を見はった。


「姫様、さすがに王都ガーランドですね。こんなに大きくて立派な街だなんて、目が回りそうですよ」

 ウエラは少女のようにキラキラしている。

「素敵な国よね。あとでお買い物に行きましょうよ」

 「そうですね…って、ダメです姫様。終わったらまっすぐ帰りますよ」

 「えー、つまんない」

 金持ちのエドモンド卿は王都ガーランドにも邸宅を1軒持っている。

 

 広場のあちこちでは、他の店たちが翌日からの建国祭に備えて、お店の準備に取り掛かっていた。

 私達は、地図を頼りに自分たちの指定場所に行くと空のワゴンはすでに並んでいて、名札が置かれていた。それを見た私達は大いに盛り上がり、前祝いにみんなで食事して、翌日のために早めに帰宅した。


 苺店でお仕事 1日目。

 

 朝早くから、屋根付きの大きなワゴンの上に沢山の籠入り苺とサイダー等を並べた。甘い香りでワゴンの回りは苺色に染まっていく。

 最初の親子連れが覗きにきた。

「あっ!ほら、お客様ですよ」

「いらっしゃいませ」

 社交界で鍛えた満面の営業スマイルでお客様を応対した。

 その後も、何人かの人たちが苺を買って行ってくれた。

 とっても気分がいい。(最高だね)


 客足が途絶えて来たので、

「ねぇウエラ、あっちにお芝居の小屋が建っているそうよ」

「おしゃべりはダメです」

 楽しそうなウエラ。

「はーい」

 苺の補充に忙しい農夫見習い達も楽しそうにしている。


 楽しい私達の苺店を、身なりのいい綺麗な若者が覗いてきた。金持ちの家の子か、上位軍人か…そんなところだろう。

「いらっしゃいませ」

 極上の微笑みで。

(金持ちには沢山買ってもらわなければ!)


「あの、苺を…」

「ありがとうございます。アローゼ国の苺です、美味しいですよ。何籠になさいますか?」

 綺麗な若者と目が合う。

 けど、一瞬でそらされて…、

 そして、…また目が合う。

(……?)


 若者は言った。

「全部下さい。全部買います」

 そして、照れて…いる?


 

 


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