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初見1
建国500年を迎え、建国祭に湧くガーランド王国。
中央広場には色々な屋台やお店が立ち並び、大勢の人達が楽しそうに行き交っていた。
特に人々の関心を集めているのは、隣国が出店している、可愛い売り娘のいる苺の店だった。苺だけではなく、苺サイダーや苺ジャムにパンやクッキーまであった。
「なっ?可愛いだろう?」
「確かに…可愛いけど、」
物影から苺店を伺うのは、この国の王子ルークと側近のアレンで、伺われていたのは、苺店の売り娘。
王子は建国祭の初日にこの店であの娘を見つけて、今日で3日間通い詰めていた。
「あの店はアローゼ国の店だろう?あの国の娘だったら色々と面倒だな」
「面倒って何がだよ」
アレンの言葉にルークはむくれた。