各用語・世界観 解説
設定資料集①【各用語や世界観 解説】になります。
内容は随時更新していきます。
※以下、本編のネタバレを含みますので、本編最新まで読んだ人のみ推奨です。
※※※【ソード】※※※
駆動竜殲騎、古代エリギウス語で
Steer Warknight’s Of Ruin Dragonの頭文字を取り
SWORDと名付けられた巨大兵器。
200年前、竜祖セリヲンアポカリュプシス率いる竜族に対抗する為に、世界に七つ存在していた大聖霊石を核として、後に神剣と呼ばれる七振りのソードが初めに開発された。そしてそれを基に通常の聖霊石を核に量産剣や宝剣として分類されるソードが次々と開発されていき、現在に至る。
ソードは、雲の聖霊の意思による浮遊、風の聖霊の意思による推進、土の聖霊の意思による硬化など、あらゆる属性の聖霊の意思を利用する聖霊学を結集して構築されている。
動力は、操刃者である騎士の刃力と核となる聖霊石に内在する刃力を共鳴させる事により膨大な刃力を産み出しエネルギーにする刃力共鳴式転換炉。
操作器構は、半脳波半手動式操作器構となっており、思念操作のみ、または手動操作のみでもある程度は操作する事が出来るが、二つを組み合わせる事により騎体のパフォーマンスを最大限に発揮出来る。また生身での戦闘能力は思念操作によって騎体の動きに反映される為、基本的には生身での戦闘力は、ソード戦における戦闘力に直結する。
装甲はこの世界で採掘される鉱石の中では最硬を誇るオルハディウム鉱石から錬金されたオルハディウム合金製であり、非常に高い耐久、耐熱、耐電、耐冷性能を持つ。また小さな傷の修復程度の僅かなものではあるが、水の聖霊の意思による自己修復器能が備わっている。
また、カラーリングは、炎なら赤、風なら緑というようにメインのカラーを属性に対応するカラーリングにしなければ騎体性能を完全に引き出せなくなる為、全てのソードは核となる聖霊石の属性に対応するカラーリングを基調としている。
推進装置は、クスィフスラスターエッジ。通称推進刃と呼ばれる背部に備えられた刃状の推進翼であり、雲の聖霊の意思による浮力により浮遊し、風の聖霊の意思により推進する。そして動力が起動すると推進刃から常に刃力の残滓が粒子となって放出され、それがさながら騎士が纏う騎装衣のような形を成す。騎装衣の色は騎士の覚醒度合いにより、蒼、銀、金と三段階存在する。
ソードが使用する武装は聖霊騎装と呼ばれる兵器、八大属性の内、単体或いは二種類の聖霊の意思を組み合わて攻撃等を行う。聖霊騎装の種類は大きく分けて六つ、刃力剣、携帯型聖霊騎装、肩部聖霊騎装、盾付属型聖霊騎装、刃力核直結式聖霊騎装、結界……以上の六種類からそれぞれ任意の武装を選択して装備する。
また竜殲術拡張変換器能という器能が備わっており、限られた騎士のみ使用出来る竜殲術という特別な術を、ソード操刃時に発動する事で、能力をソード大に拡張、またはソード仕様に変換する。
そしてソードの分類は大きく分けて三種。大聖霊石を核とした神剣、比較的純度の高い聖霊石を核とし特定の騎士の専用騎として造られた宝剣、発掘量の多い純度の低い聖霊石を核とし各国家の主力戦力として量産される量産剣の三つである。
〈ソード 諸元〉
[動 力] 刃力共鳴式転換炉
[操作器構] 半手動半脳波式操作器構
[装 甲] オルハディウム合金製装甲
[推進装置] クスィフスラスターエッジ
[武 装] 聖霊騎装
[特殊器能] 竜殲術拡張変換器能
※※※【ソードの各用語解説】※※※
[兜飾り]
ソードの頭部に装着された飾りの事で、製造された生産地を象徴する飾りを着けている。例えばエリギウス大陸産のソードは頭部に剣や短剣の刀身を付け、レファノス群島産のソードは馬の尾のような羽根を後頭部に付けている。
[推進刃]
本来名称はクスィフスラスターエッジ。ソードによって形状は異なるが、剣の刀身を模した推進翼。量産剣や宝剣等、通常のソードには四本備わっている。神剣には六本備わっている。推進刃から放出されている刃力粒子が騎装衣を形成させているが、これはあくまでソードを起動している為に生じる副産物である。
[鎧胸部]
操刃室を守る為のソードの胸部装甲。ぶっちゃけハッチ。
[操刃室]
騎士がソードを操刃する為の座席。ぶっちゃけコックピット。
[操刃柄]
騎士がソードを直接操刃、又は思念操作する為のレバー。左右二つあり剣の柄の形状をしている。ぶっちゃけ操縦桿。聖霊石がソードの動力炉に収納されている時はこの操刃柄を通して騎士の刃力が注入され、動力が起動する。
[操刃鍔]
足元にあり、ソードの推力や浮力等を調節する為のペダル。剣の鍔のような形状をしている。
[晶板]
操刃室内にあり、座席の左右前面辺りに置かれた透明の板。早い話がモニター。敵や味方の表示をしたり、別の騎体の操刃者からの映像を表示したりする。相手への伝声や伝映、相手からの相互伝声や相互伝映の許可など、様々な操作もこの晶板上で行う。
[探知器]
敵を探知する為の装置。早い話がレーダー。
※※※【この世界について】※※※
[オルスティア]
天空界オルスティア。天空に浮かぶ一つの大陸及び四大群島、孤島や浮遊岩礁などで構築された世界。全部で20の空域が存在し、それぞれの国が統治している。かつて世界は地上界ラドウィードに在ったが、〈羨血の七剣〉と呼ばれる災厄戦争の影響により人々の怨念が聖霊の意思を介して、怨気と呼ばれる猛毒が発生し世界を包み込んだ。その後、聖霊神の意思により世界が浮上し、天空と地上が結界により隔絶され、天空界オルスティアが誕生した。
[ラドウィード]
地上界ラドウィード。世界が天空に浮上する前に在った地上の世界。地上界には広大な海が広がり、そこにオルスティアと同じように大陸及び四大群島、孤島などが存在していた。ラテラの結界により天空界と隔絶されている為、現在は何人も行く事が出来ない。また、ラテラの結界の自浄作用により、現在怨気は消失しているとの研究結果もあるが、その真偽は定かではない。
※※※【世界の国・空域】※※※
[エリギウス大陸]
元エリギウス王国、現エリギウス帝国が統治する、この世界で唯一の大陸。帝都はディオローン。面積、人口、資源、いずれも世界最大であり、聖霊学においても世界一の発展を遂げていて、汽車や飛行船なども存在する。
玄の空域、皓の空域、金剛の空域、天藍の空域の四つの空域に跨って存在する。
ソードの生産地を表す兜飾りは短剣の刀身。
[ディナイン群島]
元ディナイン王国、現エリギウス帝国が統治する群島。元王都はリデージュ島。灼熱の群島と呼ばれており、砂漠の島や溶岩の島などが多く存在する。鉱石採掘業などが盛んに行われている。
朱の空域、黈の空域、紅玉の空域、琥珀の空域の四つの空域の中にそれぞれの島が存在する。
ソードの生産地を表す兜飾りは宝玉。
[イェスディラン群島]
元イェスディラン王国、現エリギウス帝国が統治する群島。元王都はキャヴィーレイク島。氷雪の群島と呼ばれており、吹雪に覆われている島や氷の島などが多く存在する。オーロラを見る事が出来る島も存在する。
蒼の空域、塵の空域、瑠璃の空域、月長の空域の四つの空域の中にそれぞれの島が存在する。
ソードの生産地を表す兜飾りは牛や羊などのような有蹄類の角。
[レファノス群島]
レファノス王国が統治する群島。王都はセリアスベル島。森林の群島と呼ばれており、豊かな木々や植物が生い茂る島が多く存在する。林業や農業などが盛んに行われている。
碧の空域 、橄欖の空域 、翡翠の空域 の三つの空域の中にそれぞれの島が存在する。
ソードの生産地を表す兜飾りは馬の尾のような羽根。
[メルグレイン群島]
メルグレイン王国が統治する群島。王都はリンベルン島。水の群島と呼ばれており、巨大な川や湖、空に落ちる滝などのある島が多く、また豪雨や落雷が頻発する島なども存在する。水産業や漁業などが盛んに行われている。
藐の空域 、尖晶の空域 、黝簾の空域 の三つの空域の中にそれぞれの島が存在する。
ソードの生産地を表す兜飾りはユニコーンのような一角。
[タリエラ島]
かつて孤島国家タリエラが統治していた孤島。ラドウィード暦にて、イェスディラン王国との戦争に敗れた事によりイェスディラン王国の一部となり、更に現在はエリギウス帝国の一部となっている。伝統的な建築物や教会などが多く存在し、かつては観光業と酪農が盛んであった。現在も酪農は盛んに行われている。
ソードの生産地を表す兜飾りは金色の輪。
[ナパージ島]
正式には那羽地島。かつて鳳龍院家と天花寺家の二大門閥が統治していた孤島。ラドウィード暦にてエリギウス王国に滅ぼされ、あまりにも濃密な怨気が島に染み付いてしまった影響で、オルスティアに浮上することが出来なかった唯一の島
着物と呼ばれる衣装や、羽刀と呼ばれる剣、瓦と呼ばれる屋根の建築物など、独自の文化や発展を持つ。
ソードの生産地を表す兜飾りは鍬形と呼ばれる二本角、或いは三日月状の角。
※※※【騎士の階級】※※※
騎士の階級は、能力の覚醒度合いにより三段階存在する。
[蒼衣騎士]
所謂、普通の人間。当然身体能力、反応速度、空間把握能力など特筆すべきものは無い。騎士を目指している者、或いは稀に居る正騎士の中で、銀衣騎士に覚醒していない騎士を蒼衣騎士と呼ぶ。銀衣騎士に覚醒出来るか出来ないかの境界は15歳であり、銀衣騎士に覚醒出来ないまま15歳の誕生日を迎えた者は永久に蒼衣騎士である事が確定する。その為、銀衣騎士に覚醒する事なく15の誕生日を迎えた騎士候補生は、殆どの者が騎士の道を諦め、別の道を歩まざるを得なくなる。ソードを起動すると蒼い騎装衣を形成させる。
[銀衣騎士]
蒼衣騎士から覚醒した騎士の事で、訓練の中もしくは実戦の中で突如覚醒する。銀衣騎士に覚醒すると、高い身体能力、反応速度、空間把握能力を得るだけでなく、感情受信能力や先読み能力など第六感的な能力も得る。各国の正騎士は殆どがこの銀衣騎士で構成されている。後述の聖衣騎士と合わせて覚醒騎士と呼ばれる事もある。ソードを起動すると銀色の騎装衣を形成させる。
[聖衣騎士]
銀衣騎士から、更に覚醒し、竜殲術と呼ばれる特殊な術を扱えるようになった騎士。竜殲術は騎士固有であり、発現する能力は様々。その力は正に戦況を一変させる程で、大国のエリギウス帝国にすら十数名しかいない。帝国の騎士師団長クラスは基本的にこの聖衣騎士である。聖衣騎士への覚醒の境界年齢は特に無く、また覚醒した瞬間や竜殲術を使用する際は額に剣を抽象的に描いたような紋章が浮かび上がる。銀衣騎士と合わせて覚醒騎士と呼ばれる事もある。ソードを起動すると金色の騎装衣を形成させる。
[竜魔騎兵]
人工的に生み出された聖衣騎士の総称。始まりはウィン=クレインの考案した聖霊石人体適合術法により、子を宿す母体に人工的に聖霊石を埋め込み、先天的に刃力を高めて産み出されたフリューゲル、デゼル、プルーム、エイラリィの四人を竜魔騎兵と呼んだ。その後は竜魔騎兵計画を引き継いだスクアーロ=オルドリーニにより、肉体強化と共に粒子状に加工された聖霊石を薬液と共に投与し一時的に聖衣騎士に覚醒させる聖霊石人体投与術法により、アイデクセが聖衣騎士として覚醒し竜魔騎兵となった。
前者は聖衣騎士として戦力になるまでに非常に長い年月を要す代わりに、精神的には通常の人間と何ら変わらない竜魔騎兵を生み出す事が出来る。後者は前者に比べて圧倒的短期間かつ後天的に聖衣騎士として戦力を生み出す事が出来るが、肉体強化と粒子聖霊石投与による拒絶反応により、甚大な精神汚染を来す。
※※※【聖霊】※※※
太古の時代、八大元素から生まれた八種類の聖霊で、目には見えないがこの世界の至る所に存在し、あらゆる現象を引き起こす超常的存在。始まりの生物である竜祖セリヲンアポカリュプシスを産み出した存在でもあり、人類を含むその他の生物も聖霊が産み出したと言われている。また、この世界を構築する源でもあり、更には繁栄する生物の意思や願いがその力を増幅させる。
[聖霊の種類]
空系統の光、雷、雲、風
地系統の闇、水、土、炎
聖霊の属性には相性が存在し、四竦みとなっている。
光雷は闇水に強く、雲風に弱い
闇水は光雷に強く、土炎に弱い
土炎は雲風に強く、闇水に弱い
雲風は光雷に強く、土炎に弱い
※例えば光は闇にも水にも強いが、雲にも風にも弱い
※その他の属性同士だと優劣は無く同格である、例えば光と雷、光と土、光と炎は同格となる。
属性にはその属性を象徴する色があり、聖霊石や大聖霊石の色もその属性を象徴する色となる。
また、ソードは核となっている聖霊石の属性を象徴とする色をメインカラー(最も多くを占める色)にしなければ性能を完全に発揮出来ない。
[聖霊を象徴する色]
光は白、雷は紫、雲は灰、風は緑
闇は黒、水は青、土は黄、炎は赤
[聖霊石]
聖霊の意思が込められた石で、全て拳大程の大きさ。純度が高い聖霊石は輝きが強く、それだけ多くの刃力が秘められている。ソードの核となる他、日常生活における機器にも使用される。
[聖霊学]
聖霊の意思が引き起こす現象を利用し、ソードの構築、或いは日常生活に活用する技術または知識の総称。日常生活においては水の聖霊の意思による冷蔵器、雷の意思による電声器や電灯、炎の意思による暖炉など、日常生活においても必要不可欠な存在である。聖霊学を学び、聖霊の意思を利用する技術や知識を得た者を聖霊学士と呼ぶ。
[大聖霊]
八属性の聖霊の中でも特に強大な力を持つ八聖霊の頂点。
[大聖霊石]
大聖霊の意思が詰まった特別な聖霊石で、強大な刃力が秘められている。これまで存在が確認されているのは闇を除く七つ。いずれもそれを基にして、神剣とよばれる始まりソードが造られた。通常の聖霊石と同じく拳大程の大きさだが、その輝きは通常の聖霊石よりも強く、内部には各属性を抽象的に描いたような紋様が刻まれている。
[聖霊神]
大聖霊よりも更に上位の存在であり、この世界を作り、この世界に生物を生み出し、更にこの世界を構築していると言われる神格かつ概念的存在。
聖霊神には光・雷・雲・風を司る空の聖霊神カムルと、闇・水・土・炎を司る地の聖霊神ラテラが存在する。かつてこの世界は地上界ラドウィードに存在していたが、地上に怨気と呼ばれる怨念が蔓延り、人を含む生物が滅びようとした為、空の聖霊神カムルの力により大地が浮上して天空界が形成され、地の聖霊神ラテラの力による結界が張られ、地上界と天空界が完全に隔絶された。
[守護聖霊]
人は生まれつき加護を受けている聖霊が一種類あり、それが本人の属性となる。そしてその加護を受けている属性の聖霊を、守護聖霊と呼ぶ。
※※※【刃力】※※※
人の体内に存在する聖霊の意思、或いは聖霊石に内在する聖霊の意思を刃力と呼ぶ。言わばオーラのようなものであり、ソードや聖霊騎装の動力源となる。刃力量は個人差があり、刃力量が多ければ当然その分ソードの稼働時間が長くなり、聖霊騎装を多く装備したり発動したり出来る。ただし騎士の刃力量の大小によってソードの性能や聖霊騎装の威力に変化は無い。
刃力量の値は先天的なところによるものがかなり大きいが、訓練や成長に応じてある程度の増加は見込める。
※※※【聖霊花の儀】※※※
騎士が己の守護聖霊を判別する為の儀式で、エレムマリー……通称聖霊花と呼ばれる花の種に自身の血液を垂らして土に植えると、一週間程で花が咲く。そして咲いた花の花弁の色により自身の守護聖霊が判明する。また、血液を垂らさずに種を植えると透明の花弁の花が咲く。
そして花弁の枚数により、その騎士の刃力の多さも判別する事が出来る。ちなみに平均的な花弁の枚数は八枚である。
※※※【聖霊に関する属性・聖霊騎装設定】※※※
[属性相性における四竦みの関係]
上の表に照らし合わせると例えば光属性のソードであれば、水属性のソードに対して優位であり、風と雲属性のソードに対して不利である。雷と炎と土属性のソードに対して同格となる(闇属性のソードは存在しない)。聖霊騎装で攻撃する際も同様に、属性相性が関係して効果が決まる。
[守護聖霊と各属性との相性について]
上の四竦みの表に照らし合わせれば、ソードを操刃または聖霊騎装を使用する上では、当然自身の守護聖霊と同じ属性のものが最も相性が良い。そして2番目に相性の良いものが同位置に存在するもので、例えば守護聖霊が光である騎士であれば、雷属性のソード・聖霊騎装が、光属性の次に相性が良い。続いて3番目に相性が良いものが対角に位置する属性で、炎と土。最も相性が悪いのが隣接する位置に存在する属性で、風と雲、水と闇のソード・聖霊騎装は性能や威力を発揮出来ない。
例えば光の聖霊を守護聖霊に持つソラであれば、光属性のソードを操刃または聖霊騎装を使用した場合100%の性能を発揮出来、雷属性のソードを操刃または聖霊騎装を使用した場合は性能の90%まで発揮出来る。
しかし水属性のソードを操刃または聖霊騎装を使用した場合は性能の50%までしか発揮出来ない。(※光属性のソラが水属性のソードを操刃したうえ、更に水属性の聖霊騎装を使用した場合、水属性の騎士が水属性のソードを操刃したうえで水属性の聖霊騎装を使用した場合の25%程しか威力が出ない。)
[各守護聖霊の性能補正・聖霊騎装に組み込む特性]
各騎士は、上記の表の通り自身の守護聖霊によってソードを操刃した時に、性能へ補正が入る。例えば、各属性の騎士が全く同じソードを操刃したとしても、炎属性の騎士が操刃するソードは別の属性の騎士が操刃するソードに比べて騎体の膂力と聖霊騎装の火力が上がり、土属性の騎士は同様に騎体の耐久値が上がる等。
また、聖霊騎装は単独の属性もしくは最大二つまでの属性を組み合わせたものが存在し、上の表の、それぞれの属性の特性を組み合わせられている。例えば思念操作式飛翔刃であれば、雲の操作の特性と風の切断の特性を組み合わせられており、追尾式炸裂弾であれば炎の爆裂と雷の追尾の特性を組み合わせられている。
組み合わせられる属性は、四竦み表で言うと、同じ位置のもの(例えば光と雷)か対角の位置のもの(例えば雷と炎)しか組み合わせる事が出来ない。隣接する位置のもの(例えば水と炎)は組み合わせる事が出来ない。
同じ位置のもの同士は最も相性が良い為、その二つを組み合わせた聖霊騎装は単純な威力等の性能は非常に高い。ただし対角の位置のものを組み合わせると、より多くの属性のソードに対して弱点を突けるメリットが生まれる。
例えば同じ位置の属性である風と雲を組み合わせた思念操作式飛翔刃は強力であるが、光と雷の属性のソードに対してしか弱点を突く事が出来ない。
しかし対角の位置の属性である光と土を組み合わせた散開式尽力弓であれば、風・雲・水属性と、より多くの属性のソードに対して弱点を突く事が出来る。
※※※【闇属性の特性”模倣”について】※※※
闇属性の特性である模倣は、聖霊騎装を構築する上で非常に重要な役割を担っている。例えば上記の表に照らし合わせれば、雲・風・水属性のソードは光属性や土属性と相性が悪い為、光属性や土属性の聖霊騎装は威力を50%しか引き出せない。つまり雲・風・水属性のソードが、光の聖霊の意思を利用する刃力剣、刃力弓、抗刃力結界であったり、土の聖霊の意思を利用する耐実体結界をそのまま使用すると本来の性能の半分しか引き出せなくなってしまう。
そこで登場するのが闇の聖霊の意思である。闇の特性である模倣は他の属性の特性を90%の精度でコピー出来るという特性であり、つまり闇の特性で光属性や土属性の特性をコピーした聖霊騎装であれば、闇属性と相性の良い雲・風・水属性のソードは高い精度で使用する事が出来る。つまり、雲・風・水属性のソードが使用している刃力剣等の上記聖霊騎装は光ではなく闇の聖霊の意思を利用したものとなっている。
更に闇の模倣の特性を利用する事で、本来組み合わせる事の出来ない特性同士を組み合わせる事が出来るようになる。例えば本来であれば光と水は隣り合う属性の為特性を組み合わせる事が出来ないが、光の波動を模倣させた闇の聖霊の意思と、凍結の特性を持つ水の聖霊の意思であれば組み合わせる事が出来、凍結式刃力砲という聖霊騎装を構築出来ている。このように、あらゆる聖霊騎装で闇属性の”模倣”の特性が利用されており、非常に重要な役割を担っている。
※※※【純血の契】※※※
通常のソードと違い、神剣を扱う為にはその騎士が大聖霊石に適合しなくてはならない。神剣の台座に置いた大聖霊石に、誓いの口上を述べながら血滴を垂らし、能力や竜殲術が大聖霊石に適合した聖衣騎士だけがその神剣の操刃者となる事が出来る。そしてその一連の儀を“純血の契”と呼ぶ。
実は誓いの口上は無くてもいい、ただ皆儀式だしそれっぽいから一応やる。
※※※【騎種】※※※
攻撃方法や戦う距離、扱う聖霊騎装で決まる騎士の種類……騎種は以下の四つ。
[白刃騎士]
刃力剣等を用い、主に白兵戦を行う前衛の騎士。敵の懐に入り戦う事が多い為、最も危険を伴う騎種でもある。
また、刃力剣は光の聖霊の意思を利用する事から光、もしくは守護聖霊の特性上騎体の膂力を高くする炎属性の騎士が最も多い。
[射術騎士]
刃力弓等の携帯型聖霊騎装による射撃、刃力核直結式聖霊騎装による砲撃、思念操作式飛翔刃等の思念操作兵器による全方位攻撃等、主に中距離戦から遠距離戦を行う。
刃力弓に強力な特性を持たせたり、思念操作兵器と相性の良い風や雲属性の騎士が最も多い。
[狙撃騎士]
狙撃型刃力弓や刃力核直結式聖霊騎装を用い、主に遠距離からの狙撃戦を行う。
狙撃型刃力弓と相性が良く、守護聖霊の特性上聖霊騎装の射程を長くする雷属性の騎士が最も多い。
[支援騎士]
味方に対する刃力の補給や火力の増幅、結界を張り味方の壁になる等、味方の支援を主に行う支援騎士である。
守護聖霊の特性上長期戦を得意とし、己の刃力を補給する聖霊騎装と最も愛称の良い水、騎体の耐久値を高くする補正のある土属性の騎士が最も多いが、支援騎士を目指す者はかなり少なく、部隊としても支援騎士を操刃者にしてソードを運用するよりも、その分多くの攻撃手を増やした方が有用であるとの考えが一般的である事から支援騎士自体の数はかなり少ない。
※※※【各守護聖霊におけるソード操刃時の補正】※※※
[光]
刃力剣の刀身・刃力弓の光矢の強度増加
[雷]
射程伸長
[水]
修復力増加
[土]
耐久力増加
[炎]
膂力・火力増加
[曇]
飛翔力増加
[風]
運動性増加
※※※【ソードの急所】※※※
ソード戦において、敵を倒す為の急所は三ヵ所。
一つは頭部で、ソードの頭部は操作伝達器構の中枢であるため、頭部を破壊されたり切り落とされたりするとソードの操作が不能になる。
二つ目は腹部、腹部には動力炉が存在する為、大きな損傷を受けると動力源である刃力が暴走し爆発を引き起こす。
そして三つ目は胸部、胸部には操刃者である騎士が搭乗している為、当然そこを破壊すれば中の騎士は絶命し、ソードは強制的に器能を停止する。
※※※【人種と流派について】※※※
このオルスティアにおいて、大別される人種は七種類おり、ラドウィードの時代から別種族間の婚姻等は禁忌とされていた。その為、複数の種族の特徴を持つ混血種や、どの民の特徴も持たない異形種は異端として忌み嫌われ、差別や迫害を受けてきた歴史がある。
また、この世界ではその人種の特性に合わせて流派が創設されており、各人種は基本的に自己の種族の流派を修得する。
[エリギウスの民]
オルスティアにおいて唯一の大陸であるエリギウス大陸を出身とする民で、金系統、銀系統、赤系統のいずれかの髪色と金色の瞳を持つ種族。
流派はレイ・レグナント流剣術で、最も基本に忠実であらゆる局面に対応可能な王道剣術。
[イェスディランの民]
主に氷雪の群島であるイェスディラン群島を出身とする民で、銀系統の髪色と、先端の尖った耳を特徴とする種族。比較的小柄であるが敏捷性に優れる者が多い傾向。
流派はアイノアカーリオ流剣術で、敏捷を活かして翻弄したり、相手の意識の隙を突く暗殺剣術。
[ディナインの民]
主に灼熱の群島であるディナイン群島を出身とする民で、金系統の髪色と浅黒い肌を特徴とする種族。比較的背が高く筋肉質な者が多い傾向。
流派はラムイステラーハ流剣術で、嵐の如き連撃と烈火の如き剛剣を駆使して戦う剣術。
[レファノスの民]
主に森林の群島であるレファノス群島を出身とする民で、茶系統の髪色と翡翠色の瞳を持つ種族。関節が柔らかくしなやかな筋肉を持つ者が多い傾向。
流派はベルフェイユ流剣術で、相手の攻撃を柳の如く受け流して反撃する、防御とカウンター主体の柔剣術。
[メルグレインの民]
主に水の群島であるメルグレイン群島を出身とする民で、青系統の髪色と水色の瞳を持つ種族。瞬発力に優れる者が多い傾向。
流派はシャルフヴァーレハイト流剣術で、優れた瞬発力を活かして敵を穿つ刺突剣術。
[タリエラの民]
かつて戦争に敗れイェスディラン王国の一部になり、現在はエリギウス帝国の一部に統一された孤島タリエラを出身とする民で、赤系統の髪色と猛禽類のような鋭く黒い爪を持つ。並行処理能力が高い者が多い傾向。
流派はスプレッツァトゥーラ流剣術で、双剣を用いた連撃やトリッキーな動を得意とする剣術。
[ナパージの民]
かつてラドウィードにて滅び、オルスティアに浮上出来なかった孤島ナパージを出身とする民。黒髪と黒い瞳を特徴とする。現在のオルスティアには存在しない孤島であり、とある出来事によりナパージの民の殆どがラドウィードで命を落としている為、今現在滅びかかっている種族と言っても過言ではない。
竜域に入る事を前提とした都牟羽と呼ばれる剣技を使う諷意鳳龍院流と、敵のあらゆる急所を狙う事を信条とした鏖威天花寺流という二大流派が存在していた。また鏖威天花寺流の分家が創設した異伝、塵化御巫流という居合を極意とする流派も存在した。
※※※【竜】※※※
世界がラドウィードに在った頃、世界に君臨していた古代生物。鱗に覆われた皮膚と翼、鋭い牙や爪が特徴の巨大生物で、その姿は様々、竜哮と呼ばれる固有の特殊能力を持つ個体も居る。人類と竜族による人竜戦役〈剣と黒き竜の火〉で敗れた竜族は、ラドウィードにて滅びを迎えた。
[竜祖セリヲンアポカリュプシス]
竜の祖にして、全ての竜族の母。聖霊達の加護を受け、この世界に産み落とされた原初の生物でもある。七つの首と紅い瞳を持つ黒竜で、八大属性全ての加護を受ける特異な存在。
ラドウィードの地にて竜族を反映させる為、魂を八つに分裂させる竜哮を使い、己の分身とも言える七体の竜を産み出した。その後、七体の竜は更に竜族を産み出し、ラドウィードは竜族が繁栄した。しかしその後、聖霊達により多種多様な生物が誕生したが、セリヲンアポカリュプシスは他の種族を滅ぼし、竜族だけによるラドウィードの支配を目論んだが、反旗を翻した七竜王との死闘〈竜牙の血戦〉により七竜王と相打ちになり、瀕死の状態となりながらも七竜王の魂を再び己に取り込みながら世界樹の麓で眠りに付いた。
その後、人類が繁栄した後に目覚め、再び竜族によるラドウィードの支配を目論み、その圧倒的な力により人類との長きに渡る死闘を繰り広げるも、人類側が開発した七器の神剣との戦い〈剣と黒き竜の火〉にて、遂には完全に打ち倒される事となった。
[七竜王]
竜祖セリヲンアポカリュプシスから分裂して産み出された七体の竜。産み出され世界に散った後、竜族を繁栄させた。しかし、その後誕生した別の種族を全て滅ぼそうとしたセリヲンアポカリュプシスに反旗を翻し相打ちとなった。竜王と呼ばれるに相応しい絶大な力を持つ。それぞれが闇以外の七つの属性の加護を受けている。
光のドレイク、雷のリンドヴルム、水のニーズヘッグ、土のヴリトラ、炎のヴィーヴル、雲のワイバーン、風のファフニール。
また、七振りの神剣には、竜咬式聖霊騎装という固有の武装が装備されており、それぞれ七竜王の名を冠している。
※※※【竜域】※※※
竜域とは高揚と沈着、憤怒と悲哀、恐怖と安堵、僅かなズレすらも許されない一点の隙間のみに存在する無の極致に至る極限の集中状態。潜在能力を解放し、反応速度や動体視力、身体能力や無意識下の判断能力を蒼衣騎士としての限界値まで高める。かつて世界がラドウィードに在り、まだ覚醒騎士が現れない時代、人が竜に対抗するための唯一の手段であった。
人は元々高揚すれば散瞳し、沈着すれば縮瞳する。そしてこの世界の人間は、高揚と沈着の間、完全なる無の状態に達した時だけ細瞳と呼ばれる獣のような縦割れの瞳へと成る。故に竜域に達している人間の瞳は細瞳の状態になり、その瞳は竜に例えられるようになった。
しかし、やがて現在で言うところの銀衣騎士や聖衣騎士に覚醒する騎士が出現し始め、人間の力の延長でしか戦えない竜域の騎士はラドウィードの騎士と呼ばれ、揶揄されるようになった。
竜域に入った者は無意識の状態で喋るようになる為、普段と口調がやや変化するという特長がある。
※※※【大聖霊獣]※※※
大聖霊の化身とも言われる超常的な存在。特定の空域では一年に一度、大聖霊の意思が強まる時期があり、大聖霊の黙示と呼ばれる。大聖霊の黙示が発生している空域にて、一定以上の戦闘の意思と、刃力が集まる事により、それを糧にして大聖霊獣が顕現する。
世界に七体存在し、大聖霊の力を行使するとだけありその力は絶大で、一個騎士師団に相当するとも言われる。大聖霊獣を倒し屈服させる事により、大聖霊の意思の結晶でもある大聖霊石が具現化する。
[光のルー]
天藍の空域にて顕現した大聖霊獣。十二枚の白い翼を持つ巨大な天使の如き姿を持つ。光を自在に操って対象を穿ち、または消滅させる攻撃を放つ。レオ=アークライトに倒され光の大聖霊石となり、神剣エクスカリバーの核となった。
[雷のワウケオン]
藐の空域に眠ると言われる大聖霊獣。巨大な鳥の姿を持ち、雷を自在に操って攻撃すると言われている。顕現は未だ果たされていない。
[水のウィンディーネ]
蒼の空域にて顕現した大聖霊獣。上半身は女性で下半身は魚類、所謂人魚のような姿を持つ。水流と冷気を操り、対象を凍り付かせる攻撃を放つ。エリィ=フレイヴァルツに倒され水の大聖霊石となり、神剣ティルヴィングの核となった。
[土のヨルムンガンド]
琥珀の空域にて顕現した大聖霊獣。島と見紛う程の巨大な蛇の姿を持つ。地を揺るがし、土を操り、また対象を悉く飲み込む。シェール=ガルティに倒され土の大聖霊石となり、神剣アパラージタの核となった。
[炎のイフリート]
紅玉の空域にて顕現した大聖霊獣。大きな角を持つ筋骨隆々の巨人。炎を自在に操って対象を焼き尽くす攻撃を放つ。ホウリュウイン=ヨクハに倒され炎の大聖霊石となった。
[雲のネフェレ]
金剛の空域にて顕現した大聖霊獣。雲のようなガスに覆われた一つ目の怪物。あらゆる物質を操り、対象の動きも完全に支配する。レオ=アークライトに倒され雲の大聖霊石となり、後に神剣アロンダイトの核となった。
[風のフェンリル]
瑠璃の空域にて顕現した大聖霊獣。白い体毛と翡翠の瞳を持つ巨大な狼のような姿を持つ。風や竜巻を操り、対象を吹き飛ばしたり斬り裂く攻撃を放つ。当時のイェスディラン王国の国王、エギルレーツェ=ラニア=イェスディランに倒されたが、何故か大聖霊石として具現化を果たしておらず、その行方は不明のままである。
※※※【幻獣と魔獣】※※※
竜が別の生物へと転生した姿であり、その中でも人と共存する生物を幻獣、人に害を成す生物を魔獣と分類している。
[幻獣]
ユニコーン、グリフォン、ヒポグリフ、八咫烏など島から島への移動手段として重宝されている生物が多い。
[魔獣]
魔獣はその危険度や強さにより、更に下位魔獣と上位魔獣に分けられており、上位魔獣が下位魔獣を使役している事も多い。
下位魔獣にはキマイラ、マンティコア、アンフィスバエナ、エリュニーアス、ガルーダ、陰摩羅鬼などがおり、上位魔獣にはフレスヴェルグ、ヴェズルフェルニル、牛鬼などが居る。
※※※【刃力共鳴式聖霊術砲】※※※
腰部に接続して使用する刃力核直結式聖霊騎装を、左右両方に同種のものを装備させる。そして同時に起動する事で、聖霊石同士が共鳴して刃力が増幅し、絶大な一撃を放つという攻撃方法である。
元々刃力核直結式聖霊騎装による一撃はかなり強力で、切札的な用途で使用するものであるが、刃力共鳴式聖霊術砲は刃力核直結式聖霊騎装を単独で使用するよりも数倍の威力を叩き出す、正に戦況を一変させる真の切札となる。
ただしその分消費刃力は甚大で、平均的な刃力を持つ騎士でも一発すら放つ事が出来ない程に必要刃力が多い。選ばれた騎士にのみ許された攻撃方法である。なお、雷電加速式投射砲などの実弾を用いた刃力核直結式聖霊騎装では刃力共鳴式聖霊術砲は発動しない。