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狐の住む岸辺  作者: マイソフ
第1章 ユタ・ビーチ
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6月6日 午前7時 ユタ・ビーチ

 アメリカ軍の第7軍団司令官・コリンズ中将は、ガダルカナルで師団長として戦闘を経験し、その能力を示している。初期に上陸する連合軍の陸軍部隊を指揮するモントゴメリー大将の作戦計画によれば、最もドイツに遠く位置するこの軍団が最も急な進撃を行うことになっていたから、アイゼンハワーはこの戦域にエースを投入したのである。


 コリンズは、彼の戦域に降下する2個空挺師団のほかに4つの師団を指揮下に置いていたが、上陸当日に彼が使えるのはバートン少将の第4歩兵師団だけであった。


 海岸は連合軍の艦砲射撃で徹底的に掃討され、アメリカ軍は順調に展開しつつある。残念ながらサン・マリー・デュ・モンの村はまだドイツ軍が確保していて、カランタン市へ、さらにオマハ・ビーチへの道は閉ざされていた。しかし艦砲射撃をシフトさせれば、その道もすぐに開くように思われた。どのみち、空挺部隊に損害が多いことは、予想されていたことなのだ。


 コリンズは、この戦域での支援を指揮する海軍のムーン少将と同じ艦に乗っていたが、ムーンはさっきから海軍の幕僚だけを連れて司令室に篭もっていた。艦橋に上がってきたら砲火のシフトを要請しようと、コリンズはさっきからちらちらと階段の方を気にしていた。


 やがて上がってきたムーンは、コリンズに口を開く機会を与えなかった。


「戦艦群をオマハ・ビーチへ向けるように命令がありました」


 ムーンはやや過労気味で神経質になっていたのはコリンズも気がついていたが、幕僚も皆陰気な表情をしているのはただ事ではなさそうである。


 コリンズは、オマハ・ビーチの戦況を陸軍の上層部に問い合わせることにした。


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