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狐の住む岸辺  作者: マイソフ
第5章 日没、あるいはソード・ビーチ
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6月6日 午前4時 ランヴィル村


 オッペルン=ブロニコウスキーは、戦車連隊と歩兵2個大隊を連れて、いまランヴィル村に立てこもる200人足らずのイギリス兵と激しく戦っていた。少数とはいえ、建物に先着した歩兵を外から掃討するのは容易ではない。さっきから戦車が2両失われている。1台はキャタピラの下に結び合わせた手榴弾を放り込まれ、もう1台は携帯用の対戦車兵器を至近から転輪の間に食らったのである。先ほどから、一部の戦車が貴重な榴弾を敵兵-制服から、もうイギリスだと分かっていた-の立てこもる人家に浴びせて、爆発と火災を起こしている。


 まだ暗い空に轟音が響いてくる。オッペルン=ブロニコウスキーは戦車の上部から身を乗り出して目を凝らした。50機を越えるグライダーが、こちらへ一直線にやってくる。彼は戦車に潜り込むと、通信機に食らいついた。戦車連隊や歩兵大隊についてきた機関砲が、うっすらとしたグライダーの影に曳光弾を吹き上げる。そのうち一部は、上空の兵士たちには気の毒だが、イギリス軍が1940年にフランスに置き去りにして行った牽引車の車体に乗せられている。


 何機かが火を噴いたが、何機かは至近に着陸してきた。布陣を組み替えなければならない。なんて一日だ。オッペルン=ブロニコウスキーは増援を要請するため再び無線機を取った。


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