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狐の住む岸辺  作者: マイソフ
第3章 ゴールド/ジュノー・ビーチ
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学生と教授の会話 #5


「ゴールド・ビーチとジュノー・ビーチを隔てるものは、なんだったかな」


 教授は言った。学生は作戦地図に目を落として、戸惑った。


「つながって……いるんですか」


 教授はにやにやと頷いた。


「幅2キロばかりの岩場が区切りと言えば区切りだが、砂浜はつながっていると言っていいのだよ。ゴールド・ビーチはイギリス軍、ジュノー・ビーチはカナダ軍の受け持ちだから、独立した名前が必要なのだ」


 学生はまたメモを取る。


「実質的にはひとつだから、ドイツ軍の師団はひとつだね」


「第716歩兵師団が、ゴールド、ジュノー、そしてソード・ビーチのすべてを担当しています」


 学生は地図の注を読み上げる。


「この海岸のすぐ内陸部に、バイユーの街がある。このあたりではカーンに次いで大きな街だな」


「5月になって、戦車教導師団が移ってきた街ですね」


「それだけではない。ここにも高射砲連隊がひとつと、ネーベルベルファー旅団がひとつ移ってきている。ネーベルベルファーは知っているね」


 ネーベルベルファーはドイツ語で煙幕発射機と聞こえる。


「えーと、連合軍を煙に隠して……」


 教授が笑いだしたので、学生は黙った。


「それじゃ連合軍に有利だな。これはロケット砲部隊だ」


「V1号のことですか?」


 教授はげっそりした顔をした。


「V1号はベルギーからロンドンまで届いたけれども、ネーベルベルファーが届くのははせいぜい4キロといったところだな」


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