第9話「罰当たりボーイズ」第3章「罰」
いよいよ僕らに神様の罰が下る日がやってきた。
悪事に手を染めた4日目、
「なぁ!行ぐべ!」
小遣いが底をついた僕らは当たり前のごとく神社へ向かった。
一日に何度もやって来てはお参りもせずコソコソと満足げに帰って行く小学生がいれば神主さんでなくても不審に思うだろう。
まあ何度もお参りしたからといって見逃す訳もないのだが。
事の一部始終を社務所から覗いていた神主さんが万を持して大声で叫んだ
「こらーっ!!
何やってんだーっ!!!」
「うわっ!!見つがっだ!!逃げろっ!!!」
僕らは最後の抵抗で顔を見られないようにしながら、三々五々逃げ帰った。途中駄菓子屋で待機していた仲間にも声を掛けた
「おいっ!おでらの人に見つがっだぞ!!おめだぢも早ぐ逃げろ!!(神主さんに見つかった!逃げろ!)」
慌てて逃げ帰っても、もう手遅れだってことはは薄々感じてはいた。
その夜は担任の先生や神主さんが来て大変な騒ぎになった。当然強烈なゲンコツをもらい、先生にも厳重注意され、とんでもなく怒られた。
あの場にいた(駄菓子屋待機組みも含めて)全員の家でも大変な騒ぎであったろうことは容易に想像できた。
きっと神様の罰が下ったのだ。
後に50円に糸を結びゲーム機に投入し、カウントしたら引き抜くという荒業が開発されたのだが、どうやら全国区レベルでのメジャーな方法だったらしくメーカーが対応したことでズルは出来なくなった。
悪いことは出来ないものです。




