第9話「罰当たりボーイズ」第1章「テーブルゲーム」
僕らが一番遊びに貪欲な年頃にテーブルゲームが流行した。
インベーダーゲームと言えばイメージして頂けるだろうか?
学校近くの駄菓子屋でも勿論テーブルゲームを導入した。それも2台!
今時テーブルゲームの無い店なんてありえない。
それは残念ながらインベーダーではなく、自機戦艦が敵戦艦を壊しながら進んで行くという、縦スクロール型のシューティングゲームであった。家庭用ゲーム機の登場はまだ
まだ先の話で、
そんな単純なゲームでも、僕たちは夢中になった。
本当は下校時に寄り道したかった。
だが駄菓子屋があまりにも学校から近すぎて先生に見つかってしまうというリスクがあったし、何故かそういう生徒を見つけるのは決まって教頭先生だったりする。
下校時に寄り道するのは断念せざるを得なかった。
学校から家まで徒歩40分、家から駄菓子屋まで自転車で20分。
学校は山裾なので帰りは下り道、この1時間を少しでも短縮するため、坂道を利用して田んぼ3枚分走っては1枚分休憩を繰り返し、自宅から駄菓子屋までの自転車は上り坂だが力の限りこぎ続けた。
遊びのためなら努力を怠らない。
体力と気力は充分だったのだが、唯一自分たちの努力だけではどうしようもないのが財力だった。
ゲームは1プレイ50円。当時一日の小遣いは100円で、ブラックブラック(チョコレートアイス)を一本買ってしまうと1回しか遊べない。
この時ほとんどの友達が同じ小遣い問題に悩んでいた。




