人を好きになるって
人を好きになるってどうしてこんなに寂しいのかしら。
好かれるってどうしてこんなに侘しいのかしら。
貴方が歌う声は都会の夜の空に溶けてしまうような、そんな声だった。
いつか消えてしまう二人の情熱は、東京のビルの光よりも強く輝いている。
ただ、求め合う。理屈はいらない。
ああそれでも、終わりを考えてしまうのが人の性。
今だけを、幼子のように生きていければいいのにね。
人を好きになるってどうしてこんなに寂しいのかしら。
寂しくとも、何度も同じように好きを繰り返す。
浅ましい、いやらしい、さもしい、愛苦しい。
ネオンの光に二つの影は混ざり、消えていってしまう。
月は何も語らない。