新しい仲間 -キリア目線-
今回は、改築校舎のお披露目と新メンバーとのご対面です!個性的?な新メンバーと一緒に校内探検も!
「ひどい目に会った…」
「いきなり爆発物なんて投げないでよ!危ないでしょ!」
「おもちゃだから平気平気。公衆の眼前でいちゃいちゃしてるのが悪い」
「「してない!!!」」
煙幕が晴れて少し焦げ付いたユキの髪を魔法で元通りにする。二人そろって反論してくるあたり仲がいいのだろうか。互いの事も知っていそうだったし。
「うんうん、いい爆発っぷりだったわよ。よくやったわキリアちゃん」
「センセイはそれでいいんですねぇ」
「ねぇねぇ!さっきのってどうやったの!?私もやってみたい!」
妙に清々しいリィナさんにツッコミを入れたのは毛先が緩くウェーブがかかっている淡い緑青色の見る限りふんわりオーラを放っている女の子。色々とデカい。身長と言い…
そしてそれに反比例するかのように(流石に私よりは大きい)色々と小さな、桜色の髪をした女の子が目を輝かせながら寄ってきた。
何か色々反対の子たちだな。そう思いながらユキの髪を元に戻し終わり、ポンポンとユキの頭を撫でた。
「はい、終わり」
「むぅ、何だか釈然としない」
「気のせい気のせい」
不貞腐れたように頬を膨らますユキを宥めてその場を立ちあがる。ちょっとやり過ぎちゃったから道の真ん中で治してたんだよね。だからまだ皆は校舎は見ていない。後でちゃんと見せないと。
「で、二人はどんな関係なの?」
「俺たち、幼馴染なんだよ。こいつ最近見かけねーなと思ってたらここで会えた」
「そう言う事。なんか納得いった。そして自分が何を考えていたのか今更になって恥ずかしい」
両手で顔を覆いながらリィナさんの背にそっと隠れる。すると、横からにゅっと誰かの髪が視界に入ってきた。綺麗な金糸。さっきの二人じゃない…じゃあ、誰…
「はぁい、こんにちはキリアちゃん。噂はかねがね聞いているわ。これからよろしくね」
「っっっ!?」
ビックリし過ぎて声にもならなかった。あのふわふわした女の子同様、これまたのんびりした人が私の至近距離で声をかけてきた。心臓がまだバクバクとなっている。
「だ、誰…?」
女性をよく見るとどこか見たことのある金色の色彩をしていた。これは……誰だっけ。あとちょっとで思い出せそうなんだけど思い出せない…!
「まぁまぁ自己紹介は後にして、まずは校舎の方に行きましょう?」
「は、はい」
ニコニコとする女性が校舎の方を指さす。まだ紹介もしてないもんね。あの男の子の行きたくてうずうずしてるしこんな道の真ん中で自己紹介なんてしたくないか。
顔を覆っていた手を離して周りの人数を確認しておく。あの警報機モドキに引っ掛からないように後で調節しておかなきゃ。
「それじゃあ、新校舎へレッツゴー!」
「「ゴー!!」」
男の子と小さいほうの女の子がノリノリで掛け声に乗ってくれた。可愛い。この雛鳥感がとても否めない可愛い感。誰か分かってくれる人いない?
今だ不貞腐れているユキの手を取って、校舎の方へと駆け出す。自分でもこんなに心が躍っているのは久しぶりだ。同年代で集まってるからかな?
「キリア、楽しそうだね」
「えへへ、分かっちゃう?今までさ、こんなに同年代の子とかと一緒にはしゃいだりしなかったから楽しくて…!」
手を引いているユキも、私が楽しんでいることに気が付いているらしい。表情に出るくらいは余程浮かれているのかもしれない。
「こっちこっちー!」
後ろからついてくる皆に、校舎の前で手を振る。丁度良い自然の感じられる空間で、学園にいるはずなのにピクニックにでも来た感じがする。
「!!ホントに変わってる…あのおんぼろ校舎が……」
「おおーっ!!すげー!俺たちこんなとこで勉強できんの?!」
「わっ、見てみてフェニー、おっきな花壇がある!」
「凄い綺麗ねぇ」
リィナさんは元を知っていたのか驚きを隠せずに校舎を呆然と見つめている。他の皆は当然元を知らないから、私の創ったものを見て目を輝かせながら興奮している。この純粋な子たちが喜んでくれると尚嬉しい…!!
「キリアさん、こんなに変えられるなんてすごいです…!」
「あ、セレス様数日ぶりですね。レイト様も。今さっき作ったばっかりなのでこうやって喜んでもらえると嬉しいんです」
皆の後ろの方にいたセレスが声をかけてくれる。あと、後ろに一応レイトもいた。この二人無口だから騒がしい集団の中にいると分かりにくかった。
「まだまだ驚くのは早いからね!次は校舎!」
力作の校舎の扉を開けて、皆を中に招く。男の子を筆頭にぞろぞろと中に入った後、内装の説明をする。
「さーて、教室はどこでしょう!」
「んー、右!」
「それじゃ、右に行ってみよう!」
男の子の勘からして右らしいので、玄関口から右の廊下に進む。狐火は事前につけていたので明るいから時大丈夫だね。廊下もこれだけの人数がいても大丈夫なくらいの広さはとれてるからいいかな。
「あー、こっちじゃなかったか」
「残念でしたー。こっちは教室じゃなくて、トイレと更衣室ね。男女それぞれあるから入ってみてもいいよ」
取り敢えず男女で分かれて、それぞれの更衣室に入る。私は女子の方について行くとしよう。あっちはユキがいるから何とかなるよね。
「わぁ、可愛い部屋ですね…!」
「こっちは女子更衣室ってことでピンクを基調の色で整えてあるよ。ロッカーは個人で使っていいし、他にも何か欲しいものがあったら言ってね」
最初に入ったセレスが一目見て可愛いと言ってくれた。女子の部屋だからね。一目見て女子部屋って分かるように淡いピンクと白で部屋は塗装してある。木の色一色だと味気ないから更衣室だけはこうして塗装してあるんだ。
壁に沿って人数分のロッカーを設置し、真ん中には一応ベンチと言うか長椅子がおいてある。
「あら、六つあるけど後二つは誰かが共同で使うの?」
「あ、それはリィナさんたちの分として使ってもらって構いませんよ。他にもロッカーならまだまだありますし」
「それならお言葉に甘えて使わせてもらおうかしら」
リィナさんと女性の分は本当は数が分からなかったから適当に置いておいただけだけど、たまたま人数分あったから使ってもらってもいいだろう。
皆がロッカーの中を覗いたりして自分の場所を決めたり、中に何を置こうか考えている人もいた。
「私ここにする!」
「それじゃ、私はアリスの隣にするわぁ」
「わ、私ここ使わせてもらいますね」
もう決まったのか、早っ。それなら、私は空いているセレスの隣のロッカーかな。
「あ、そうそう。ここには絶対男子がのぞき見とか間違っても入ったりなんてできないようにしているので安心してね」
「きっちりしてるのねぇ…」
窓とか通気口とか、その辺も色々あるけど魔法を乱用して中が絶対に見えないようにした。流石にそんなことをする奴はいないだろうけど、保険にね。いたら私が絞めます。
「男子の方に間違ってはいらないようにだけ気を付けて!」
「はーい!」
小さいほうの女の子が元気よく手をあげてくれた。まぁ、そうそうないだろうけど…万が一にでも入っちゃったら…ね。
「トイレの方は各自で確認しておいてね」
「その事なんだけど、私たちも使っていいのかしら?」
「いいですよ。ここ何故か異様に他の建物と離れてますし、わざわざ戻りに行くのも面倒でしょうから」
「せんせーたちも大変だね」
リィナさんが気まずそうにそう言ってきた。勿論ちゃんとトイレの方も作ってある。
「そろそろあっちも見終わったかな」
更衣室から出ると、見終わっていた様子の三人が廊下で待っていた。男の子はウキウキしながら早く次が見たいとばかりに手をぶんぶんと振り回している。それを呆れてみるユキと、相変らずの暗いオーラを纏ったレイト。これはこれでバランス取れてるのか?
「なぁなぁ!次はあっち見に行っていいか?」
「いいよ!次は教室にたどり着けるといいね!」
「よっしゃ!突撃!」
元気いっぱいに廊下を走る男の子に皆で続き、着いた先は仮眠室と医務室。
パシーンと勢いよく男の子が扉を開いて医務室の中に突っ込んでいく。
「うげげ、また違ったか」
「ここは医務室だよ。怪我した時とか、体調が悪くなったときはここにきて、休むならもう一個あった部屋の仮眠室で寝るっていう仕組みになってる」
「へぇ、…って、なんでこんなにに備品とかそろって…」
「全部私の自作品です。効能は信頼できるので安心してください」
「…え?」
棚一面に陳列しているポーションやら包帯など諸々の物を見てリィナさんが絶句する。いや、だってここの建物の中本当に何もない空き家みたいになってたし、私しか持ってこれる人いないでしょ。
「怪我はしない方がいいけど、もししてもいいくらいのものは全部そろってるよ。あと、この部屋から備品の持ち出しはぜーっっっったいに厳禁!持ち出した奴は緊急時としてしっかりとした言い訳がない場合は………」
皆に見えるように綺麗な笑みを浮かべる。もちろん、フリスア直伝の営業の方を。いやねいやね、学園用にあんまり強力過ぎないものを選んで並べてはいるけど緊急時以外に持ち出されて他の人に見られでもしたらここが狙われかねない。
「取り敢えず、お仕置きは三日じゃすまされないと思って?」
「キリア、初対面にそれは怖い怖い」
一番冷静なユキが私の頭の上に手をポンと置く。む、そうか。シュンと笑みを消す。見ればリィナさんの実が真っ青になっていた。まぁ、リィナさんだけかな。私の実力と言うかそれを知ってるのは。
一応セレスとレイトも知ってはいるけど、セレスはこの笑みの意味が分かっていないらしく、コテンと首を傾けている。まぁ、一部気がついてはいるみたいだけど。
「あらあら、怖い顔してるわよー」
「だって、事前にくぎを刺しておくのは重要でしょう」
女性のふんわりとした態度に毒気を抜かれながらも、一応理由だけ入っておく。ユキはなんとなく察してくれるだけの行動は見てきたからいいけど、この女性のふんわり感が全然慣れない。
「と言う事だから絶対に持ち出しは厳禁ってことだけ覚えておいてね」
「?おーう」「よくわかんないけど分かった!」
男の子と小さいほうの女の子は分かっていないようだけど、まぁ守ってくれるならいいや。
「それじゃ、次行く?」
「「おー!!」」
とにかく切り上げて、次の方に行こう。後は全然当たってなかったけど教室くらいかな。
医務室から出て、残っていた廊下を歩く。
「最後はちゃんと教室かなー?」
「きっと教室だろ!」
そうだよ。教室です。
廊下を曲がって男の子がスパーンと扉を開ける。そして突っ込むように中に飛び込んでいくと、大きな声が聞こえてきた。
「うわっ!すげー!めっちゃ広い!」
さっきも紹介したけど、一応もう一回。教室の前方には大きめの黒板と、先生用のデスクに教卓。真ん中は人数分の席がそろっていて、席の後ろは何かするときの為にスペースが取ってある。教室の後方にはバッグなどを入れるためのロッカーと掃除道具入れ、そして掲示板をつけて紙を張れるようにしてある。
完璧な昔の教室だね。窓枠も全部木でできているものに薄めの耐衝撃ガラスを張ってあるだけだし、床、天井、備品も全てが木製だ。違う所と言えば照明くらいだろうか。
「リィナさん、一応人数分の席はあるんですけど自由席ってことでもいいですか?」
「いいよ。どうせきっちり決めたところで男女の人数比が違うわけだし」
「てことで許可が出たので自由に席取っていいよ!」
何か決まりがあったら面倒なので念のためリィナさんに許可をもらってから皆に声をかける。
で、決まった席順は席が三列あり廊下側の前から、セレス。その後ろにレイト。真ん中の列の前は大きい方の女の子で、その後ろが男の子。で、一番窓側の列の前が小さいほうの女の子、後ろにユキ、私と言う席順になった。七人いたから一人余ってそれが私になったって言う感じかな。
「決まったわね」
「リィナさん、もう気持ちの整理がついたならいいですよー。私も気が済みましたし」
「分かったわ。それじゃあみんな、自分の席についてね」
リィナさんの声でそれぞれの決めた席に座る。うぅむ。私身長が小さいから席順で後ろだと前が見えないかもしれない。こっそり作った椅子を高くしておこう。こういう時に木が操れると便利だわぁ。
「まず、皆入学おめでとう。私は今学年の武術を担当させてもらうリィナ・フォン・シルヴェストです」
「私はルミリナ・ラル・レイアートよ。今学年の座学、特にマナーや暦学を担当させてもらうわ」
……あ、レイアート家ってルト君の!もしかしてこの人ルト君とエルキアス様のお母さん!?どこかで見たことのある金髪だと思ったら、あの二人の金髪はお母さんのルミリナさんからだったのか……
「で、魔法担当のキリア・アルフレアちゃんね」
「あー、何か成り行きで魔法担当教師(仮)になったキリア・アルフレアです。先生って立場になってるけど皆と同じ生徒だから敬語とか使わないでね」
私の名前が出たことに、一同がざわつく。うん、分かるよ。誰だって同級生が先生だったら驚くわ。そしてそれをものともせずに私に話を振ってくるリィナさんもリィナさんよ。
目の前で何したの!?とでも言わんばかりの表情をしているユキがいる。何もしてない、ただ話持ち掛けられたから承諾しただけ。大丈夫。
「とにかく、皆も自己紹介してもらいます」
「はいはいーい!私から!」
リィナさんがそう言った途端、小さいほうの女の子が手をあげて体を乗り出した。
「私はアリス・ラル・フェリシア!こっちのフェニーとは幼馴染で、いつも一緒にいるよ!よろしく!」
「次は私~。私はフェニー・ラル・フローレンスよ~。さっきもアリスが言ったけど、私たち幼馴染でよく一緒にいるから良かったら声かけてねぇ~」
元気な姿からアリスの後ろ側に光の精霊王であるルーチェがいるのではと思ってしまう。似てるね。自由奔放な感じが。で、フェニーは最近会ってないけど水の精霊王に似ている。あっちも女性だし、喋り方もどことなく面影がある。
……気のせいか。
「次、俺!俺、ロイナス・キルフォンス!俺、皆と違って平民の出だけど仲良くしてくれ!」
ロイナスが元気よく手をあげて皆の方を向いて大きな声を出す。あ、ロイナスも平民の出だっけ。よかった。私だけだと思ってた。いや、忘れてただけなんだけど。
「こっちの奴は、昔近くに住んでて一緒に遊んでたユキ!最近見なくなったと思ったらこんなとこにいた奴!」
「お前な…ユキ・エル・アルフレッド。まぁロイナスとは腐れ縁で今はアルフレッド公爵家にいる。普段はキリアと一緒にいることが多いと思うから何かあったら声かけて」
ユキがロイナスに対して呆れながらも自己紹介をする。まぁ、一緒にいるって言ってもあったのは一か月前くらいの出来事だけどね。
「わ、私はセレス・ラル・リアクリドです……な、仲良くしてくだひゃい!」
セレス噛んでる…。焦っていた上に追い打ちで噛んでしまったせいか、その白い肌が赤く染まっている。可愛い。思わずみんなの口元が緩むのが分かった。ある意味癒し要因だな。
「…レイト・エル・ルミカレナ。よく暗いって言われるけど仲良くしてくれたら…嬉しい」
「あ、これって私もう一回自己紹介する流れか。キリア・アルフレアです!先生だけど先生じゃないのでその辺勘違いしないでください!あと、前もって言っておくけど私皆と同い年の10歳だから!小っちゃくてもそのあたりだけは知っておいて!!」
最後は本当に切実な願い。この中で身長差のあるメンバーとはいえ、ダントツで私が小さい。折角の同年代に子ども扱いだけはされたくない。
一瞬リィナさんとルミリナさんが噴き出していたけど二人は後で怒っておこうか。
「Fクラスはこの九人でやっていくので、皆で仲良くしてくださいね。それじゃあ、早速。この学園の紹介でもしようか」
「それなら私から言わせてもらうわー」
教卓をリィナさんからルミリナさんに代わる。ルミリナさんは普通に何も驚かずにチョークを手に取って黒板にカッカッと文字や線を連ねていく。この世界って黒板普及してたっけ。学校とか行ったことなかったから分かんなかったけど、意外にもあるものだったのか?
「まずは学園の構造からね。今私たちがいる場所は学生寮から少し離れた庭園の森の中にあるキリアちゃんが新しく作ってくれた校舎(元おんぼろ倉庫)ね。ここは学園の敷地で言うと北西の方で、まぁ…言ったら悪いけどこんなところに近づいてくる人はほとんどいないわ」
「えー、だから訓練場からあんなに遠かったの?」
「そう言う事。まーよくわからないけどここのクラスだけ他クラスと離されてるわ。その理由は先生にも分からないけど静かなところで勉強できるってことで妥協して頂戴」
後ろに何かあるとしか思えないですねー。何もなかったら普通に本校舎にクラス用意されてるはずなのにこのクラスだけ森の中とかいじめにしか思えん。差別だ差別。私、元から森に住んでたから違和感とかないけど。
「さっき私たちがいたのはこの場所の南に位置する訓練場ね。よく武術大会とかでも利用されるし、普通の授業でもよく利用される場所よ。よく使うのは武術と魔法かしら。
次は学園の真ん中に位置する本校舎。殆どの生徒がここで生活していて、私たちみたいな職員もここにいることが多いわ。中には全学年がそれぞれのクラスで生活していて他にも錬金術の教室や図書館とかもあるわね」
「へぇー、本は興味ないけどなんか広くて面白そうなとこだな」
話を聞く限り所々危ないところもあったけど、ロイナスは本校舎に反応しているらしい。まぁ錬金術なんて固有スキルとか乱用しない限りは出来る代物じゃないけど、一応あるのか。…………まぁ、魔法を使えばモドキも出来ないことはないけど。
「で、その本校舎の中にあるのは中庭よ。ここは後で説明するけれど生徒が代々管理してきてこの学園のシンボル的なものよ。また今度機会があったら行ってみたらどうかしら」
「そんなに凄いのか?」
「ええ、学園の天井までそびえる聖樹があるわよ。綺麗だから自分で見たほうがいいかもね」
え、この学園に聖樹あるの?
思わず目を丸くする。私は普通の木を筆頭に聖樹とか精霊樹とか、木を管轄していることが多いから大体どこに何があるとか分かるんだけどこの学園は全くそう言うの感じられなかったなぁ…
また今度この校舎の周りに聖樹でも生やそうかな?生やすだけならいくらでも生やせるし。
「本校舎の裏手には運動場があって、その奥にはそれぞれの寮があるわ。学園は人数が多いから寮の数もかなりあるけれどこのクラスで基本的に同じ寮を使うことになるから仲良くしなさいね」
「せんせー、これって男女分かれてるんですか?」
「いいや、クラスで一つの寮が与えられているわよ。と言ってもこのクラスは人数が少ない方だし他の量よりも一回り小さいものになるけれどね」
「へぇー」
何だか嫌な予感しかしない。気のせいだと信じよう。信じたい。
「後は、東の方に厩とか竜舎、後は精霊の森とかもあるわね」
「精霊の森?」
「精霊たちが集まる森の事よ。敷地の内側の壁に沿って広い森が広がっていて、そこの森では精霊がよく見えるの。だからこの学園では精霊の授業があるわ。卒業する学園性の半分以下にはなってしまうけれど、精霊と契約していく卒業生は多くないわ」
へぇ、それはちょっと気になるな。精霊王と面識のある私だし、誰か知っている精霊と逢うかもしれない。精霊と契約なんて絶対にフェルア達は許してくれないだろうけど。
神獣との契約はそういう物だからね。
「次は私から。学園の構造も大体わかったところで次は役割の説明ね」
「私たち何かすることでもあるんですか?」
「ええ、今から三日の間に貴方たちには【ミラルカ】を決めてもらうわ」
「「「「「「「【ミラルカ】?」」」」」」」
全員の声が一致した。聞いたことのない名前だ。…………まぁよくわからないが話は聞かないと。
「ええ、生徒会を筆頭にこの学園に存在する七つの組織よ。生徒会、経済、精霊、騎士、治癒、図書、魔法。このの七つのどれかに皆は入ってもらうわ」
「俺騎士に入りたい!」
「ちなみに騎士には私が、精霊にはルミリナ先生がいるわよ」
…………取り敢えず生徒会と騎士には入りたくはないかな。生徒会には歌奏さんもいるし、あの腹の内が読めない生徒会長さんもいるから。騎士に関してはリィナさんがいるということ一択です。私あの人ちょっと苦手。
「まぁ三日後に決めるからまだ迷っててもいいわよ。明日には早速授業が始まって、業後にミラルカの見学も行うしその時のを参考にしてくれれば」
「はいはい!質問イイですか!」
「どうぞアリスさん」
「その【ミラルカ】って、人数制限とかあるんですか?」
「いいえ、基本ミラルカに人数制限はないわ。でも、例外としては生徒会ね。生徒会に限り人数が役員二名、会計二名、書記二名、副会長一名、会長一名の計八人で構成されるわ。生徒会に入りたいなら他役員が卒業するのを待つか、年に一度ある役員選挙、もしくは決闘でもして奪い取るしか方法はないわ」
うわぁお物騒。最後の決闘って聞いただけで物凄い争いでも起こるのかと想像してしまった。そんなにこの学園の生徒会の席競争は激しいのか。
「まぁ、俺らが先輩たちと戦ったとしても勝てるわけねーか」
「それはそうとも限らないんじゃない?キリアちゃんあの生徒会長と対等に渡り合ってたし、途中入ってきたあの背の高い三人組も生徒会に対して楽々渡り合ってたじゃん!」
「!そっか!」
前で二人がかなり盛り上がり、そして同時に私を見てきた。いや、私にそんなに視線向けられましても。
「ねぇキリアちゃん!生徒会入って見てよ!!」
「お前なら入れるだろ!」
「い、いや、私は生徒会に入る気はないから…」
「えー、お前なら入れるんだから入った方がいだろ!」
二人してキラキラとした目で見つめてくる。いやな予感がする。いや、もうその事態に直面して入るのだけど。とにかく私は生徒会に入るつもりはない。成績弱者は生徒会に入りたくはないのです。
「ロイナス、そこまで。どこに入るかはキリアの自由だ」
「えー、でも…」
「そうよー、ロイナス君。もしもそんな他の人からの押しに負けて生徒会に入ったなんて知ったら先生から今後どんな課題を出すか分からないからね」
ニコォッと怖い笑みをたたえるルミリナさん。よかった、あの人は私の味方らしい。ユキも庇ってくれてはいたけど些かロイナスに対しての態度になれない自分がいるのは確かだ。ロイナス限定で口調が代わるからね。
「まぁ今日は入学式もあったしこれ位かな。後はみんなで寮に行って各自荷物の整理とかかな。あ、それと寮長も決めておかないとね」
「寮長?」
「寮の責任者ってこと。一応教師としてはルミリナさんが寮の責任者ではあるけれど生徒の中でも寮長を決めてもらいたいの。まぁその辺は寮に行ってから決めましょうか」
そう言ってリィナさんが席を立つ。ここからは寮に移動するのかな。皆で席を立って教室を出る。
「あ、ちょっと用事思い出した…ユキ、先に皆と行っていて」
「あ、うん。分かった」
私の前にいたユキに一言だけ言伝を残し、皆に見られないうちに転移魔法を使った。行先は―――
読んでくださりありがとうございます!
キリア「2人って実は仲良し?」
ロイナス「おうっ!」ユキ「違うっ!!」
アリス・フェニー「「な、仲良しだ…w」」
どっち……ww
次話は、目線を変えてユキ君に変わります!やっぱり、キリアちゃんは小さ(((から兄妹みたいに見えちゃうよね。




