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転生して、【自然神】(一応人間)になってまったり暮らしてただけなのに‥  作者: 瑞浪弥樹
第一章〜神になって出会う人〜
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少女は沢山新しいことを知る -キリア目線-

すみません遅れました。

三話目投稿です!

今回はフリスア以外の神獣が登場します!


それではごゆっくりどうぞ!

「………いくらなんでも予想外すぎでしょ……」


 家の中に入り、ボロボロになった服を着替えて顔を覆ったユキの第一声はそれだった。それは何故かというと…


「ねぇ、キリア。これって入り口がないけどどうやって入るの?」

「ここから」


 そう言って、世界樹(せかいじゅ)の根本を指差すと、ユキが首をかしげる。


「樹の…根元‥…?」

「そう。ユキ、こっちに来てここを触ってみて」

「う、うん」


 ユキが樹の根元にそっと触れると、触れたところがガコッと音を立ててく窪み、根が沈んでゆく。


「うわぁあああ!?」

「お、開いた開いた。さ、ユキ、入って」

「え、あ、うん……あの仕組みどうなってるの‥?」

「えーっと…」


 私は、沈んだ根の下にある階段を降りながら、ユキの質問に答える。


「あそこに触ると下にある装置が反応して、魔法で根が沈むようになってるの。それと同時に部屋の電気が自動で付いて、すべての設備に自動で魔力が供給されるようになってる」

「す、凄‥こんなものが作れるのか。王城にもないでしょ…」


 部屋の端まで歩いて階段を上ると、一階のリビングに出る。リビングは明るい色の木材を基調に、ほとんど金属を使わない造りになっている。キッチンと小さな机、それと、少し寂しかったので部屋の数ヶ所に植物やソファーが置いてある。


「わぁあっ!凄い…木の中なのにめっちゃ明るい…」

「ふふっ。そうでしょ?魔法で部屋を明るくしてるの。さ、椅子に座ってて。替えの服を持ってくるから。」

「そ、そんなにしてもらわなくていいよ!なんだか申し訳ないし…」


 ユキが首を振っていい、というがそれを遮るように上の階からフェルアとキリルが降りてくる。


「ニャー」〈あ、キリアお帰り。?その人は?〉

「ただいま。キリル、フェルア。この人はお客さんだよ。」

「ワゥン」〈…あぁ。あれか。キリア、こいつの服を取りにいくんだろ?こいつは俺らから話しておくからさっさと取りに行ってやれよ〉


 …?よくわかんないけど、まぁいいや。ここはフェルア達に任せて早く取りに行こう。


「じゃあ、ユキ。私、服取りに行ってくるからフェルア達と遊んであげててくれる?」

「あ、う、うん」


 私は階段に上り、ユキが見えなくなった所で重力魔法を使い、ふわふわと浮いて階を上がってゆく。これは、私の力の一つだ。【重力】という自然の理を私の力で操ってできた魔法で、これなら一応人間の私でも浮くことができる。


「えーっと…確か男物の服は五階のクローゼットだったかな…」


 私の所にはルアナがよく、私にコスプレをさせるためにメイド服やら着物やらを持ってくるのだけど、最近ではハマったのか、やたらと男物の服を持ってきては私に着せようとしてくるようになったのだ。


(ルアナが持ってきた服がこんな時に役立つなんて‥やっぱり、持てるものは持っておいた方がいいのか…)


 そう思いながら五階の衣装部屋に入り、ユキが着られそうな服を探す。


「うーん…どれもマニアックなものばかりだし、私にサイズをほとんど合わせてたから、知っている身としては着せづらいし…」


 探して出てくるものは、執事服や警官の服、更にはどこで手に入れてきたのかもわからない地球にある軍服や忍者服まである。


「…改めて見るとカオスだなぁ…あ。これなら…」


 私が取り出したのは、簡単な白いカッターシャツと、何故か魔物と呼ばれる獣からドロップした紺色のセーターと、少しいい素材でできたジーパンだった。


「…これならサイズも大丈夫そうかな」


 服を持って下に降りると、ワイワイとした声が聞こえてくる。


「え!?それ本当!面白い!」

〈ホントだって。あの時はマジで笑ったもん〉

〈僕はヒヤヒヤしたけどね〉


 どうやら仲良く話をしているらしい。


「仲良く話してるとこ悪いけど、ユキ。服持ってきたよ。これなら着れそう?」

「あ、キリア、ごめんね。替えの服まで用意してもらって…」

「いいのいいの。さ、早く着替えてきなよ。今二階には誰もいないから、そこなら着替えられるでしょ?」


「うん!」と元気よく返事をしてユキが階段を登っていくと、キリルが私の膝の上に乗ってくる。


「ニャア」〈一応僕達からこっちの事情を話しておいたけど、よかった?〉

「うん、ありがとう。あ、でも変なことは言ってないよね?」

「「「…………」」」


 遅いと思いながらも聞くと、3匹が揃ってプイッとそっぽを向く。…喋ったな…。


「因みに‥いつの話をしたの…?」

「えっと…七歳くらいの頃の話…」


 キリルが声を少し震わせながら質問に答える。七歳って結構最近…


「で、なんの話をしたの?」

「えっと、それは………」

「あ、キリア!!着替えてきたけど何この服!?」


 キリルが言葉を濁していると、着替え終わって階段から降りて来たユキが遮るように声を上げる。ユキのほうに目を向けると、そこには渡した服をピシッと着こなしているユキがいた。


「あ、ユキ。うん、結構似合ってる。」

「あ、うん。ありがとう。じゃなくて、この服だよこの服!なんでこんなに性能が高くなってるの!?」


 性能?その服には何も特別な力は付いていなかったはずだけど…?


「ねぇ、キリル。あの服ってそんなに特別な力って付いてたっけ?」

「ニャアン」〈付いてなかったはずだけど?〉


 キリルもこう言ってるし…何が変なんだろう。


「ユキ。その服何か変な所でもあった?」

「いやいや、大アリだよ!?ほとんどSランク級の魔物の素材で作られてるし、それに俺の知らないエンチャントまで…どうやったらこんなものてにはいるのさ!?」


 …どうやらとんでもない服を渡してしまったらしい。


「ニャーン」〈?でもそれってあの中でもあんまりエンチャントは付いていないし、素材もあんまりだったはずだよ?〉

「え!!?」


 それはそれでどうかと思う…


「こ、これで価値が低い方……?ね、ねぇ、キリア。この服ってどんな魔物からドロップしたの?」


 ユキが震えながらこちらに質問を投げかけてくる。えーっと確か…


「ブラッディブルースパイダーと…あとシルバーレッドウルフ…だったかな?」


 ブラッディブルースパイダーは、青い血を頭からかぶっているような模様が特徴的な大きいクモで、体液に触れると触れたところから徐々に腐り落ちていき、獲物をドロドロにしてから食べるという少し…いや、かなり気持ち悪いクモだった。

 シルバーレッドウルフは、フェルアよりも少しくすんだ色の銀色の毛並みを獲物を食いちぎる時に赤く染めることからその名がついた。

 どちらもSランク級の魔物で、私がいつも狩りで戦っている魔物だ。

 

 すると、ユキが何かを悟ったかのように表情をフッと消して「………あっはい。」と言った。


「あ、ちなみに一番下に来てるカッターシャツは、ルアナが持ってきたものだよ。私じゃサイズが合わなかったからできれば貰ってくれると嬉しいんだけど…」

「ル、ルアナ様が、持って来た物……」


 どうしよう…何故かユキが今にも死にそうな顔をしてる…


「だ、大丈夫?どうしたの?」

「……………………」

「…ピィ…」〈はぁ、ユキ。ちょっとこっちに来て〉


 そう言ってフリスアがユキを私の見えない所に連れて行き、少しすると2人が戻って来て、何故かユキが手で顔を覆っている。


「………いくらなんでも予想外すぎでしょ……」


 ということだった。

読んでくださりありがとうございました!

ブックマークをつけてくださった方、ありがとうございます。これからも頑張っていきます!


四話目も投稿が少し遅れるかもしれませんが、読んでいただけると嬉しいです!

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