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詩集  作者: 水島素良
9/19

何も終わっちゃいないさ

 あれから―どれほど月日が流れた?

 あのころ―夢見た明日が逃げていく


 つまらない言葉に

 時間が消えてく

 行くべき場所がまた

 消え去ったとしても


 ここは 秘密の庭

 雨に打たれても

 夢の しずくが今

 ほら虹になる


 街が私をまた

 見捨てたとしても

 何も終わっちゃいないさ

 何も終わっちゃいないさ

 何も終わってはいないのさ


 

 夕陽が―街の明かりに汚れても

 ここから―私は一人落ちていく


 何も変わらないさ

 心のありかが

 外側の何かに

 染まったとしても


 ここは 秘密の庭

 風に吹かれても

 嵐 過ぎた今は

 光が輝く





 希望が雲にまた

 隠れたとしても

 何も終わっちゃいないさ

 何も終わっちゃいないさ

 何も終わってはいないのさ



 もう終わりだなんて

 気取った言葉で

 自分をだましても

 何も変わらない


 ここは秘密の庭

 嘘に疲れても

 子供じみた夢を

 語って聞かせる


 世界中が君を

 裏切ったとしても

 何も終わっちゃいないさ

 何も終わっちゃいないさ

 何も終わってはいないのさ


 何も終わっちゃいないさ

 何も終わっちゃいないさ

 何も終わってはいないから……


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