8章 新たな目標
レンの魔法は見事にテロリストを貫いた。
8章 新たな目標
辺りには静寂が漂っていた。
「レン君さすが~!」
「ありがとうございます。有利に進めていけたのでなんとか。」
(本当に勝ったのか?だといいんだが。なんだこの違和感は。)
「会長。ホントに勝ったんですか?」
「少なくとも、あの男は倒した。幻覚ではない。後は、フードを被っているあいつだけだ。」
会長も倒したと言っている。俺の考えすぎか、ならさっさとフード野郎を倒して帰るか。
「お前の仲間はもういない。諦めろ。」
ジリジリ。俺と会長、レンの3人でフード野郎を倒そうとしたその時
〈滅せよ·汝の怒りのままに·怒り狂え〉
俺とレンは反応できなかった。
「えっ、そ、そんな、ば、バカな。」
俺とレンには目の前の状況を受け入れられなかった。いや受け入れたくなかった。
俺たちの前には会長が俺たちをかばって血だらけで倒れていた。
(一体どこから!?)
俺はまた衝撃の事実を目にすることになった。
「よっしゃぁ!1人脱落!」
あいつは確かに倒したはずだった。いや、倒していると会長も言っていたものに何故!?
「レンあれは一体どういうことなのだろうか。」
俺はレンに問いかけたが返事がない。
「レン。おい、聞いて、、、?」
レンは青ざめた表情で敵を睨んでいた。
「おい、レン!!大丈夫か!?」
「............やる。.........してやる。」
「レ、レン?」
「殺してやる!!!!!」
その時のレンはとても怖かった。
〈牙を穿て·その剣山に·創意を示せ〉
〈降り注げ·憑依の魂胆よ·静寂に祝福あれ〉
〈生きんとし者よ·闇雷の精霊よ·いま放たれろ〉
レンの魔法が続く。レンの魔法はテロリストに襲いかかり、テロリストの姿が見えなくなるくらい続いた。
「テロリストの反応が消え、た。」
「はぁ、はぁ、やったか?」
反応が消えたということは完全な死を決定付けるものでもある。さすがにこれで死なないというのは、あり得ない。普通なら。だが、俺たちはまだ信じきれていなかった。
「よし、ならフード野郎を今度こそ。」
「油断せずに魔法でやっちまおう。」
魔法を唱えようとした。その時、
〈廻れ·廻れ·世界の囁きの元に·いま精力もって·かのものを此処に呼び覚まさん〉
長い5節の魔法を唱えたのは、アカネさんだった。
「アカネ先生!?なにやってるんですか!?」
「ふ、私はアカネとかいう奴ではない。」
「なっ、まさか憑依魔法!?」
「そうだ。お前達がその脳筋と戦っている間に詠唱が成功した。」
(くっそ、完全に油断したぜ。憑依魔法の条件をすっかり忘れてたぜ。)
憑依魔法の条件。それは2つある。まずひとつ、術者が対象者を実際に視界に入れておくこと。そしてもうひとつは、対象者が術者をしっかり魔法詠唱時に認識しておくこと。この2つの条件はなかなか叶いにくい。そのため、憑依魔法を使う人は少ない。が、このフード野郎は無言詠唱ができるタイプだったのだ。無言詠唱は稀に生まれる個性のようなものだ。確かに無言詠唱ができる人は憑依魔法を十分活用できる。
「仕方ない。ヒロト、俺がアカネ先生もどきを引き留める。その間に憑依魔法を解いてきてくれ」
憑依魔法の解き方。それは簡単だ。憑依魔法を使っている間は術者が脱け殻になる。つまり脱け殻になった術者を仕留めることが出来れば、憑依魔法は解ける。
「わかった。すぐいってくる。」
「あぁ、任せたぞ。」
(さっさと行かねーとレンの魔力が足りなくなっちまう。)
魔法を唱えようとした俺のまえに、高い壁が立ちはだかった。
「やらせねーぞ。中坊よ。」
2回も倒したと思っていた、テロリストがそこにはいた。
「なぜ、お前生きてるんだよ!?」
「それは、私が生き返らせたからよ。」
「まさか、あのときの魔法か?」
あの5節の魔法は蘇生魔法だったのか。
「じゃあ、第3ラウンドと行こうか~?」
(駄目だ、駄目だ。落ち着け俺。モンスター相手なら慣れて来ていたのだが、こういう緊迫した戦いはあの時のトラウマを思い出してしまって、くっそ、しっかりしろ俺。)
「なんだてめ~?ビビってんのか?はっは、傑作だぜ~。」
「ヒロト!!しっかりしろ!!」
「しっしっし、まずはお前からだ。残念だが、テメーのお仲間は使えないようだな。」
「ちっ!」
〈転生の雷鳴よ·新来の......?〉
「残念だが魔力切れのようだな。」
「くっ、ヒロト!!お前しかいないんだよ!!頼む。お前ならできる!!」
くっそ、俺が、やらなきゃ行けねー。そんなこと、わかってんだよ。
(完全に足手まといじゃないですか~)
わかってんだよ。
「ヒロト!!絶対やれる!!」
わかってんだよ。
けど、
『人を助けるっていうのは怖い。だけど、怖い怖い言ってなにもしないクズになりたくない。』
わ...かって....
〈氷の精霊の神力もって·敵を包め〉
「なっ!?足が!?」
俺の唱えた魔法はテロリスト達の足場を凍らせた。
〈冥界の乱舞に·包まれ踊れ·いま苑滅入らん〉
《神間 連乱舞少林 映し風》
「な、なんなんだ。この魔法は、、、くっ」
『ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』
辺りは静寂
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