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魔法詠唱の唱え方  作者: しょー猫
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5章 新たな挑戦

俺の時間割にはしっかりこう書いてあった。


『体育』と


5章 新たな挑戦


「はぁ~、学園行きたくね~。」

学園の体育は実技。実際にモンスターと戦うのだ。あの夢を見るなど、色々なことがあり完全にトラウマになった俺には体育という授業は地獄でしかない。

「おっ、ヒロト~。どうしたんだよ?学園に行きたくないなんか言っちゃて~。」

「いや、体育が今日あるだろう?それが、ちょっと。」

「体育は実技なんだから問題ないだろう?球技とかするわけじゃあるまいし。」

「実技だから問題なんだよ。レンは問題ないだろうけど。」

そりゃー昔の俺は体育の授業で無双してたさ、でも今となってはモンスターを一体すら倒せないかもしれない。俺は重い足取りで学園に向かおうとしたその時。

「話は聞かせてもらいました!」

「うげっ!!」

ただでさえ気分が乗らないのに、とんでもなく面倒くさい奴に会ってしまった。歌川アリスだ。

「一ノ瀬ヒロト!あっ、リーダーおはようございます!ヒロトさん、今日の体育で勝負です!」

「なんで勝負とかする必要があるんだよ!?」

「あれ?ヒロト知り合いだったの?」

「いや、知らない。」

「なっ!?それはあまりにもひどいですよ!もう怒りました!何が何でも勝負してもらいますよ!」

「やらねーよ!」

アリスを無視して歩こうとしたその時。

「いいじゃねーか。勝負くらいしてやれよ。」

「はぁ?レンまで何言ってんだよ。正気か?」

「賭けとかしてないんだろ?じゃあやるだけやってやったらいいじゃん。」

まじか。まぁ確かに負けて失うものは無い。それに勝負を受けずにこのまま永遠にアリスの相手をするのも面倒くさいしな~

「仕方ねー。レンがそういうなら...おいアリス!相手してやるぜ。」

「本当ですか?やった~!」

「勝負の内容は?」

「今日の授業は1年と2年の合同実技です。内容は魔物を多く倒したほうが勝ちにしましょう。」

「了解」

「じゃあまた後で。負けて泣かないでくださいよ!」

本当に一言多い奴だ。挑発しかできないのかよ。

「ヒロト。油断すんなよ?後輩とは言え、俺たちのチームにいるほどの逸材だぞ。」

「別に負けてもいいんだけどな。」

「なっ!?いくら何でも後輩に負けるのはなしだぞ!」

はぁ~、体育があるって言うだけで最悪なのにもっと面倒くさくなってしまった。今すぐ家に帰りたい。俺は今度こそ重い足取りで教室に向かった。


キーンコーンカーンコーン

「はい。では5・6限目の授業『体育』を始めたいと思います。」

地獄の時間がとうとうやってきた。学園の授業は1限につき50分授業となっている。つまり今から1時間40分間も地獄の時間が続くわけだ。残念至極。

「今回の授業はチームを組みます。チームは4人組で学年は問いません。内容としては、仮想のモンスターが出る仮想空間に入っていただきます。そこで、30分間モンスターを何体倒せるかを競うものにします。また、最終結果として順位も出します。チーム順位、個人順位ともに一位を目指して頑張ってください。仮想空間ではどんな魔法を使ってもいいですが、モンスター以外を攻撃目標にした魔法を使った場合には状況に応じた処罰を与えます。」

なるほど4人組か。さて誰と組もうか。レンのほうは....誰かと組んでるな。ランも誰かと組んでる。アリスも誰かと組んでるな。あれ?ということは...

「俺、一人だけ余っただと?」

まて、まてままてまてまて。こんだけ人がいる中で俺だけが余るだと、どんな確率だよ!

「あれ?ヒロト君。余っちゃったの?うーん、どうしようか.....そうだ!ヒロト君のスコアは4倍にして総計しましょう!」

いや、それは意味ないぞ。なぜなら俺は一体ですら倒せるかわからないから4倍にしてもたいして効果ないぞ。

「じゃあヒロト君頑張って♪」

アカネさんめ、衝撃的なことをサラッと言いやがって、それにまさかこうもついてないとは、勝負なんて負け確だし。もう家に帰りたい。


「では、一ノ瀬グレン君。仮想ルームに入ってください。」

やばい。震えが止まらない。べ、別に怖いわけなんてないぞ。ただ、武者震いというかなんて言うか。あぁくそ!落ちつけ俺!

仮想ルームの中は、とてもきれいで結構広い。

『それでは参ります。よーい、スタート!!』

合図とともにモンスターが次から次へとわい出てくる。

「待って、待って、こっちに来るなー!!」

俺は全力で逃げ回ることしかできない。この状況じゃ魔法なんて落ち着いて唱えられない。30分間逃げ切るしかない。最悪殺されてもいい。仮想ルームのなかでは殺されても大丈夫だ。

『ヒロト君?どうしたの?しっかりしないと!』

そんなこと言われたってどうしても無理なものは無理なんだよ!

「ぶはっ!」

逃げ続けて15分。

やっちまった。こけてしまった。モンスター達に囲まれてしまった。俺、死亡。

『もしも一位になったら、次の体育免除にしてあげるから!』


〈エクスプロージョン〉

囲んでいたモンスターたちは消え去った。

しかし次々わい出てくる。

「やってやるぜ!しね!〈黒真エクスプロージョン〉」

どんどん放つ。ひたすら放つ。頭は真っ白だった。


「最終結果が出ました」

3位 歌川アリス!

2位 一輪ラン!

1位 星野レン!


え?俺は


俺は順位を見に行った。順位の紙にはこう書いてあった。


【一ノ瀬グレン。計測器破壊のため測定不可】


「ふざけんじゃねーーーーーー!!!!」




5章を読んでくださった方々へ


ありがとうございました。

意見などあれば気軽にどうぞ。

これからもよろしくお願いします

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