紡ぐこと
記憶に残る残らないは別にして、物語はそこかしこに転がっている。
命のあるもの。命のないもの。全てに物語がある。
紡ぎ手である私はその物語を書き起こすことで
その心を伝えることが出来る。
人という私の傲慢だが何故だかそう思う。
人の心に物語があるように他の異なる生き物にも物語は存在する。
語られない物語はない……と私は思っているから。
糸を紡ぐことが簡単ではないように命を紡ぎ物語を紡ぐことも
簡単ではない。
砂の粒をひとつ、ひとつと集めるように細かくて繊細で。
最後まで諦めなかったときにはひと粒がおお粒になるだろう。
物語もそうした小さなひと粒をかき集めたからこそ大きくなるのだと思う。