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7F 新たな戦力

おまたせしました

 翌日、新たに3匹の繭ノ蟲(エヴォルインセクト)が魔幼蟲から進化した。

 また【源泉】から20体湧いたので23体分新たな蟲を作ることができる。


 しかしここで問題が発生した。魔幼蟲から進化した繭ノ蟲(エヴォルインセクト)と【源泉】産の繭ノ蟲(エヴォルインセクト)とでステータスに大きな差があることが判明したのだ。




 繭ノ蟲(エヴォルインセクト) 【魔蟲Lv.10】

 スキル

【耐久上昇Lv2】【力上昇Lv2】【瘴気耐性Lv3】【生存闘争Lv6】

【毒耐性Lv3】【再生Lv2】【HP上昇Lv2】




 繭ノ蟲(エヴォルインセクト) 【魔蟲Lv.10】

 スキル

【瘴気耐性Lv3】






「なんで魔幼蟲産と【源泉】産でここまで差がでるかなぁ。【魔蟲】って上位種にならないとほんと弱いんだな」


【源泉】で生成される魔物は【瘴気耐性】を除いて生態としてもとから備えているスキルしか所持しておらず、経験により生じるスキルはまったく持っていないのだ。

 この場合、もちろんスキルが多い方が魔幼蟲から進化した個体である。

 蠱毒モドキの効果がここまで大きいのかとやらせたヒロト自身が驚いている。


 ともかくこのままでは【源泉】産の繭ノ蟲(エヴォルインセクト)は使い物にならないので魔幼蟲たちの共喰いの中に混ぜることにした。


「強くなったら"合成"してあげるよ。それまで一緒に蠱毒ってこいな」


 繭ノ蟲(エヴォルインセクト)同士では争わないように命令して魔幼蟲たちの部屋へ20匹の繭ノ蟲(エヴォルインセクト)を送り出していく。

 そして残った魔幼蟲産の3匹の繭ノ蟲(エヴォルインセクト)に向き直り、召喚可能魔物リストを表示させる。


「1匹は闇討チノ百足蟲(アサシネイトセンチピード)にしちゃって、残り2匹をどうするかだよなぁ。新しい蟲も見てみたいし何と"合成"させるか……」


 リストを眺めながらどのような魔物が今必要なのか考える。


「俺のダンジョンの第一の目標は攻略されないことだ。そのためには冒険者だとかの探索を妨害する必要があるわけだ。そうなると状態異常やバッドステータスを誘発する魔物がいいか。なら痺れ妖霊海月(パラライズジェリー)闇幻想道化師(イリュージョントリッカー)あたりが良さげかな」


 "合成"に使う魔物が決まるとさっそく痺れ妖霊海月(パラライズジェリー)闇幻想道化師(イリュージョントリッカー)を召喚する。




 痺れ妖霊海月(パラライズジェリー)霊体(エレメント)Lv20】

 スキル

【麻痺攻撃Lv5】【魅了Lv2】


霊体(エレメント)】の上位種。

 空中を漂う海月(クラゲ)型の魔物。常に【魅了】を放っており、【魅了】され近寄ってきた獲物に強力な麻痺毒の刺胞(しほう)で刺し、痺れて動けなくなったところで体液を啜り捕食する。




 闇幻想道化師(イリュージョントリッカー) 【悪魔Lv20】

 スキル

【幻惑Lv6】


【悪魔】の上位種。

 直接的な戦闘能力は無いが、【幻惑】で人を惑わし、罠に嵌めたり同士討ちさせたりと人を弄ぶことが大好きな悪魔。




「ついでに隠行毒蛇(ハイドスネーク)も召喚してそれぞれ"合成"っと!」


 "合成"ボタンを押すと前回と同じように闇から無数の腕が伸びてきて魔物たちを引きずり込んでいった。

 2回目で禍々しい光景にまだ慣れないヒロトは白目を剥きながら新しい魔物が這い出てくるのを待つ。


 そして始めに闇から闇討チノ百足蟲(アサシネイトセンチピード)が這い出し、新たな2体の魔物が闇討チノ百足蟲(アサシネイトセンチピード)に続いて出てきた。


 一体は巨大な蛾で黄色味がかった体をしている。

 そしてもう一体も姿に差異はあるが赤い巨大な蛾だった。


 素材となった魔物はまったく違うのに同じ蛾の魔物になったことを不思議に思いながらもヒロトは2匹に【鑑定】をかけた。




 痺レ鱗粉蛾蟲(スタン・スケイルモース) 【魔蟲Lv10】

 スキル

【耐久上昇Lv2】【力上昇Lv2】【瘴気耐性Lv3】【生存闘争Lv6】

【毒耐性Lv3】【再生Lv2】【HP上昇Lv2】【麻痺攻撃Lv4】

【風魔法Lv2】


【魔蟲】の上位種。

 巨体ゆえに自力では飛べず【風魔法】を併用して飛ぶ。さらに羽ばたく度に【麻痺】状態を起こす毒鱗粉を【風魔法】を使って撒き散らし、それを吸った対象は体が痺れて動けなくなる。




 惑イ鱗粉蛾蟲(コンフュ・スケイルモース) 【魔蟲Lv10】

 スキル

【耐久上昇Lv2】【力上昇Lv2】【瘴気耐性Lv3】【生存闘争Lv6】

【毒耐性Lv3】【再生Lv2】【HP上昇Lv2】【幻惑Lv4】

【風魔法Lv2】


【魔蟲】の上位種。

 巨体ゆえに自力では飛べず【風魔法】を併用して飛ぶ。さらに羽ばたく度に【幻惑】状態を起こす毒鱗粉を【風魔法】を使って撒き散らし、それを吸った対象は方向感覚が狂わされ、思考能力の低下、幻覚、幻聴などの症状をおこす。





 黄色い蛾が痺レ鱗粉蛾蟲(スタン・スケイルモース)で、赤い蛾が惑イ鱗粉蛾蟲(コンフュ・スケイルモース)である。

 2匹はヒロトの指示を待つように地面にとまって複眼の目を向けている。


「なかなかに強力な能力を持ってるのができたなぁ。【幻惑】でダンジョンを彷徨(さまよ)わせ続けたり、痺れて動きが鈍ったところで闇討チノ百足蟲(アサシネイトセンチピード)で確殺、って使い方だな」


 2匹の運用方法を考えながら飛行型の蟲が活動しやすいようにダンジョンの構造を弄っていく。


「飛び回れるように天井は高く広く、そして奇襲のための身を隠せる遮蔽物に、移動用の通路も設置っと。あとDPに余裕がちょっとあるからついでに3階層目を作っちゃおう。広大なマップにして環境設定は……【巨大樹の森】なんてあるのか!これは面白そうだ、これに決めた!」


 勢いで3階層まで作るヒロト。またDPが心許ない数値になり後でヒロトは少し後悔することになる。






 3階層を作り終わったヒロトは痺レ鱗粉蛾蟲(スタン・スケイルモース)惑イ鱗粉蛾蟲(コンフュ・スケイルモース)に向き直り、言った。


「さて2匹には魔幼蟲のレベリングの手伝いをしてもらおう。こいつらに本気で【風魔法】を使われるとせっかく育ってきた魔幼蟲が全滅させられる可能性があるからな。じゃあ命令だ!魔幼蟲の部屋に行き毒鱗粉を撒いてこい!」


 命令を受け、実行すべく移動を開始する2匹。(はね)をひろげ力強く羽ばたき飛び上がる。


 そして毒鱗粉がメイン(・・・・・・・)コアルームに(・・・・・・)撒き散らされた(・・・・・・・)


「おれのばかやろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!!!」


 空気中を舞う黄色や赤色の鱗粉をもろに吸い込んだ注意力の足りないヒロトはすぐさま【麻痺Lv4】と【幻惑Lv4】になり体が動かなくなり地面に倒れ込んだ。

 靄がかかったように思考がまとまらない頭にグラグラと揺れる視界、まったく動かない体にヒロトは2匹の能力の強さを体感しながら状態異常が解除されるまでメインコアルームルームにうつ伏せで放置されるのだった。

【麻痺攻撃Lv5】

対象を【麻痺】状態にする攻撃を放てる。Lvによって症状の度合と効果時間が変わる。



【魅了Lv2】

対象を【魅了】状態にする攻撃を放てる。Lvによって【魅了】の度合が変わる。

Lvが低いうちは対象がスキル使用者を気になって仕方がなくなる程度だが、Lvが高くなると意のままに操れるようになる。



【幻惑Lv6】

対象を【幻惑】状態にする攻撃を放てる。Lvによって効果時間が変わる。



【風魔法Lv2】

風を操る魔法が使えるようになる。

Lvが高くなるにつれて魔法の威力と効果範囲が上がる。

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