6F 進化
お待たせしました
※最初に投稿した時に本日2回目の投稿と書きましたが、それは間違いでした。
申し訳ありませんでした。
7/21 2F、3F、4F、5Fの話でわかりにくかった記述の修正を行いました
説明を加えただけでストーリーにはほぼ影響がありませんがご迷惑をおかけしました
あれから5日が経過し、ヒロト達が異世界にやってきて8日目となった。
毎日手に入るDPで【源泉】を増設したり、いつまでも地面で寝る訳にはいかないとベッドを召喚したり、食事のグレードを上げついに乾パン生活を脱したりとヒロトはダンジョンマスター生活を続けている。
またスキルのレベル上げも続けており、ヒロトのステータスは以下のようになった。
龍ヶ崎浩人 ♂ 【ヒューマンLv.1】
状態異常
HP 343/343(312)
MP 155/155(141)
STR 15
VIT 25(17)
DEX 20
INT 23
AGI 15
SP…10
ジョブ
【ダンジョンマスターLv1】
スキル
【瘴気完全耐性】【鑑定Lv3】【精神攻撃耐性Lv2】【苦痛耐性Lv2】
【耐久上昇Lv1】【HP上昇Lv1】【毒魔法Lv2】【魔力制御Lv1】
【MP上昇Lv1】【MP回復速度上昇Lv1】
【鑑定】のハードレベリングを行う勇気はまだ無く、【毒魔法】のレベル上げを集中してやったため新たに【MP上昇Lv1】【MP回復速度上昇Lv1】のスキルを手に入れた。
「MPが増えて自然回復の速度も上がった。ますます魔法職に磨きがかかってきたな」
ニマニマとしながら自分のステータスを眺め悦に浸っているとダンジョンコアの声が突然響いてきた。
『条件【魔物の進化】を達成しました。10000DPを取得しました』
『魔物の"合成"を解禁します』
『条件【中位種】を達成しました。5000DPを取得しました』
「進化と中位種……ってことは魔幼蟲が進化したのか!"合成"も気になるがまずは今すぐ見に行かなければ!」
突然のダンジョンコアのアナウンスは魔幼蟲の種族レベルが一定レベルに達したことで中位種に進化したことを伝えるものだった。
進化した魔幼蟲がいる部屋を探して転移すること4回、たどり着いた部屋には魔幼蟲とは違う蟲が1匹いた。
「……なんか脚生えてるんだけど」
新しい魔物はワーム型だった魔幼蟲とうって変わり、体長1m、体高はヒロトの股下ほどという地球では存在しない大きさの3対6脚の昆虫型の蟲であった。魔幼蟲の赤黒い体を引き継いでいるようで、ヒロトの知っている昆虫のような外骨格な体ではなく、魔幼蟲に似た赤黒いブヨブヨした肉に覆われた体は生理的に受け付けられないキミの悪さを醸し出している。
ヒロトは命令で魔幼蟲のプールから脱出させ、自分のもとへやって来させたそれにさっそく【鑑定】をかけてみる。
繭ノ蟲 【魔蟲Lv.10】
スキル
【耐久上昇Lv2】【力上昇Lv2】【瘴気耐性Lv3】【生存闘争Lv6】
【毒耐性Lv1】【再生Lv2】【HP上昇Lv2】
魔幼蟲が進化した魔物。
【魔蟲】種のサナギにあたる魔物で、育つ環境や所持スキルによって様々な進化をする。
「名前は繭ノ蟲 って言うのか。名前のエヴォルは説明文を見た限り進化から来てるんだろうな」
様々な進化の可能性を秘めた魔物に期待に胸を膨らますヒロト。
「そういやさっきのアナウンスで魔物の"合成"が解禁って言っていたな。魔物同士を掛け合わせて新たな魔物を生み出すんだとしたら繭ノ蟲は良い素材になりそうだ」
そう考えたヒロトはメインコアルームに繭ノ蟲を連れて転移するとダンジョンコアを操作して合成画面を表示させた。
「ふむふむ、軸にする魔物に素材にする他の魔物の要素を合成させるのか。軸にする魔物は繭ノ蟲に決まってるから他の魔物を用意しなきゃな」
そう言って召喚可能魔物リストを表示させる。
「そうだ、先に繭ノ蟲の【源泉】をいくつか設置しておこう。これから沢山必要になるもんな」
まだ沢山ある空き部屋のひとつに繭ノ蟲の中位種用の【源泉】を合計10000DPで20個設置した。
これで一日に1匹のペース、【源泉】20個なので20匹のペースで生成されるようになった。
「さて今度こそ合成の準備をしようか。まず方向性を決めよう。俺のダンジョンは入ってまず魔幼蟲のプールに入ることになるからきっと冒険者は魔幼蟲の駆逐からやるはず、というかやってくれなきゃ困る。そんで魔幼蟲をプチプチ潰してて意識が逸れたところを背後からブスリってのが一番良いかな」
考えることがコスいヒロトは背後からの奇襲用の蟲を作るために隠密性の高そうな魔物を探していく。
「急襲犬、隠行毒蛇、肩に置かれる手あたりが良さげかなぁ。【不死者】の肩に置かれる手にも興味はあるけど霊体だから今は置いておくとして、繭ノ蟲には毒を持っている隠行毒蛇が相性いいかもしれないな」
そうと決まればさっそくヒロトは2400DPで隠行毒蛇を召喚し、魔物合成画面を表示させた。
「軸にする魔物は繭ノ蟲、素材は隠行毒蛇っと。じゃあ"合成"!」
画面の合成ボタンを押した瞬間2体の足下から漆黒とも言える禍々しい闇が溢れ出し、闇から腕のような物が何本も飛び出してきた。
あまりにもおっかない光景に驚き、尻もちをつくヒロト。
口を大きく開けて呆然と見ているヒロトをよそにたくさんの腕が2体を絡みつくように掴むと闇へ引きずり込んでいった。
そしてすぐにヒロトの見たことのない魔物が闇から這い出て来た。
それは全長3mほどで光が反射しない黒の甲殻の体に、鋭く尖っていてまるでレイピアのような一対の腕を持ち、脚が無数にある長い胴を持つムカデのような魔物だった。
『条件【上位種】を達成しました。5000DPを取得しました』
ヒロトは合成で生まれた魔物に【鑑定】をかけた。
闇討チノ百足蟲 【魔蟲Lv.10】
スキル
【耐久上昇Lv2】【力上昇Lv2】【瘴気耐性Lv3】【生存闘争Lv6】
【毒耐性Lv2】【再生Lv2】【HP上昇Lv2】【隠密Lv3】【毒攻撃Lv3】
【魔蟲】の上位種。
隠密性が高く俊敏性も高いうえにその甲殻は鉄より硬い。
暗闇に潜み、音を立てずに獲物の背後へ忍び寄りレイピアのような腕で一突きにする。
仮に一撃必殺の攻撃を避けられたとしても傷を負えば腕の先端から分泌される毒でじわじわと獲物を弱らせる。
「まさに俺の求めていた魔物じゃないか!高い隠密性に一撃必殺の攻撃!アサシンプレイもいいもんだな」
某暗殺者ゲーにもハマっていたヒロトは闇討チノ百足蟲をいたく気に入ったようである。
「さて、お前は俺と一緒に魔幼蟲に毒液散布だ。これから毎日毒を撒こうぜ」
ネタを言ってみたが闇討チノ百足蟲の複眼にジッと見つめられて恥ずかしくなったヒロトはひとつ咳払いをしてそそくさと魔幼蟲の部屋へ転移した。
魔幼蟲が蠢く中、そこには毒液を浴びせ魔幼蟲を痛ぶる一人と一匹の姿があった。
※以下はリストから召喚された時点での強さです。
またヒロトのダンジョンの場合召喚した瞬間に自滅しないようにボーナスで始めから【瘴気耐性】を所持しています。
急襲犬 【魔獣Lv20】
スキル
【嗅覚Lv3】【連携Lv3】【隠密Lv3】【瘴気耐性Lv3】
【魔獣】の上位種。
集団で狩りをする魔犬。忍び寄って集団で連携して襲いかかってくるので並の冒険者では全滅することもよくある。
隠行毒蛇 【劣化亜竜Lv20】
スキル
【隠密Lv5】【毒攻撃Lv5】【即死攻撃Lv2】【毒耐性Lv2】【瘴気耐性Lv3】
【劣化亜竜】の上位種。
高い隠密性で獲物に飛びかかり、毒牙で攻撃する。
ただでさえ【毒攻撃】のレベルが高いのに【即死攻撃】で稀に即死するので冒険者に恐れられている。
肩に置かれる手 【不死者Lv20】【霊体Lv5】
スキル
【隠密Lv3】【MP吸収Lv4】【HP吸収Lv2】【物理無効】
【不死者】の上位種。
【不死者】と【霊体】の二つの種族に属する、肘から先だけの片腕の姿をした魔物。
非実体系の魔物で、魔力のこもった攻撃でないと攻撃が通らない。
【MP吸収】で気づかぬうちにMPを吸い取られ魔力欠乏で気絶、それと並行して【HP吸収】でHPが吸い取られ気絶している間に死にいたらしめる。
ちなみに右腕の個体がほとんどで左腕も個体を見つけたら良いことがある…………かも。
補足
【不死者】と【霊体】の種族特性に【瘴気完全耐性】が含まれています。
どころか【瘴気生成】を持っています。
【嗅覚Lv3】
嗅覚を強化する。
【連携Lv3】
集団行動するときにステータスに補正がかかる。
【即死攻撃Lv2】
このスキルを発動させて攻撃すると確率で対象が即死する。
Lv1では1%の確率で即死する。
Lv2では5%の確率で即死する。
【MP吸収Lv4】
接触している対象からMPを吸収する。
Lvが高くなるにつれて吸収速度が早くなる。
【HP吸収Lv2】
接触している対象からHPを吸収する。
Lvが高くなるにつれて吸収速度が早くなる。
【物理無効】
物理的な攻撃が無効になる。
【MP上昇Lv1】
MPの最大値に補正をかける。
Lv1では最大値を1.1倍にする。
【MP回復速度上昇Lv1】
MPの自然回復速度に補正をかける。
【再生Lv2】
時間の経過でHPが自動回復し、傷を治していく。
Lv1は10秒毎に最大HPの1%を回復する。
Lv2は5秒毎に最大HPの1%を回復する。
【HP上昇Lv2】
HPの最大値に補正をかける。
Lv1では最大値を1.1倍にする。
Lv2では最大値を1.3倍にする。
【隠密Lv3】
気配を薄くし気づかれにくくなる。
探知系のスキルに捉えられにくくする。
【毒攻撃Lv3】
対象を【毒】状態にする攻撃を放てる。Lvによって毒の威力が変わる。
Lv1は高熱が出る程度。
Lv2は10秒毎に最大HPの1%のダメージを与える。
Lv3は10秒毎に最大HPの5%のダメージを与える。