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3F ダンジョンの創造

おまたせしました


7/21 源泉に関する記述の追加、魔蟲の種族特性に関する記述の追加を行いました

「ダンジョン作成!」



 ヒロトはダンジョンを創るためにダンジョンコアに手をかざし、そう宣言した。

 次の瞬間ダンジョンコアが強く光ったと思うと頭の中にダンジョンコアの声が響いてきた。


『ダンジョンが創造されました。現在ダンジョンはメインコアルームのみです。

 ダンジョンの製作を開始してください。ダンジョンの地上解放は30日後です。

 また30日以内に名称の設定を行ってください』


『条件【ダンジョンの創造】を達成しました。5000DPを取得しました』



「おっ、これがボーナスポイントってやつか。これで環境を整えろってことだな。

 それに地上解放までは人に見つからないってのはありがたいな。準備に集中できる」


 ダンジョンコアの情報によると30日後のダンジョン対抗バトルが始まるまではダンジョンの入り口が現れず誰にも発見されないそうだ。

 これはダンジョンがひとつの異空間になっており、ダンジョンの入り口は地面に開いた大穴のように見えて実のところは異空間への入り口なのだという。

 どれだけ拡張しても地上が陥没したり崩落したりしないのはそういう理由なのだそうだ。


「ダンジョンの拡張機能を使った大落とし穴作戦が使えないのはなんか残念だけどな」


 ヒロトは「ダンジョン=落とし穴の罠」という考えを持っているようだ。

 ゲームのやり過ぎであろう。


「さてさて、ポイントも手に入ったことだしダンジョンを構築していかなきゃな!その前に召喚できる魔物にどんなやつがいるのかも確認しないとな。先にダンジョン弄ってポイント足りなくて魔物召喚できませんじゃあんまりだもんな」


 そういってヒロトはダンジョンコアをいじって召喚可能魔物リストを表示させた。


「おおっ、ゴブリンとかオークとかいるじゃないか!やっぱこいつらがいなきゃファンタジーとは言えないもんな!」


 ヤベースゲーと言いながらリストを下へスライドさせていく。


「さすがファンタジー最強のドラゴンさんだ。要求ポイントがケタ違いだな。

 この災厄邪龍(カラミティドラゴン)なんか5000万DPだ。召喚させる気あるのか?」


 ヒロトはあーでもないこーでもないと考えながら、リストを全て見終えた。


「魔物の種類が多すぎて迷うなぁ。しかもDP消費で手に入るのは魔物単品だけでなく周囲の【魔力】を吸って下位と中位限定だけど魔物を自動で生成し続けてくれる【源泉】なんてのもあんのな」


【源泉】は生成する魔物が強力であればあるほど1体を生成するのにかかる時間が増えるらしい。


「当面は【源泉】で魔物を揃えて、強いのを数体DPで用意するって感じだな。

 よし!いろいろ構想がまとまってきたぞ。さっそくダンジョン作っていくか!」


 ヒロトはダンジョンコアを操作し、ダンジョン作成のウィンドウを表示させる。


「まずは100DPで第1階層を作成。環境設定は【洞窟型】。次に通路を迷路状にひいて……はあ!?通路だけで647DPだと!ちょっと広くし過ぎたかなぁ?まあ簡単にクリアされても困るししょうがないか。次に部屋を通路と繋げて……」













 攻略されにくいようにと広大な迷路を作っていくこと数時間。

 ヒロトは第2階層までダンジョンを作成した。



「たった2階層分作るだけで3925DP使っちまった……。途中から平面ではなく立体的な迷路にしたからなぁ。楽しくなってやり過ぎちまった」


 後悔はしてるが反省はしていない、と呟きながらヒロトは魔物のリストを表示させる。


「DPがあと1000ちょっとしかない……。ゴブリン一体でも50DPなのに……。

 まあもとから一個100DPの下位魔物用の【源泉】を設置する予定だったしいいけどさ。

【源泉】を10個で、生成する魔物はこいつっと」


 そう言ってダンジョンの入り口に近い部屋から【源泉】を1個ずつ設置していく。

 するとダンジョンコアの無機質な声が響いてきた。


『条件【初めての魔物召喚】を達成しました。1000DPを取得しました』


「おっ、これもボーナスポイントになってたのか。追加でさらに【源泉】を設置して、生成された魔物をさっそく見に行ってみるか」


 ボーナスポイントを貰え、ウキウキしながら【源泉】を10個追加していく。

 作業が終わるとヒロトは【ダンジョンマスター】の自分のダンジョン内ならどこにでも自由に転移できる能力を使って【源泉】を設置した部屋のひとつにやって来た。


「おお、もうこんなに生成されたのか!さすが生成速度最速の魔幼蟲(まようちゅう)だ。わかっていたけどこんなにうじゃうじゃいると精神的にクるものがあるな」


 ヒロトが【源泉】で生成させている魔物は魔幼蟲という【魔蟲】種の魔物だ。

 召喚できる魔物の中で最弱ともいえるレベルの存在であるかわりに、その分【源泉】の生成速度は最速なのである。今も秒間10匹のペースで【源泉】から湧き出ている。


 そして少し鳥肌をたてたヒロトの目の前にはすでに数百匹の魔幼蟲が蠢いていた。


「 じゃあさっそく魔幼蟲の育成を始めますか。魔幼蟲たちよ、お前らのやることはひたすら共喰いをすることだ!闘い続けろ!」


【ダンジョンマスター】の命令道理にダンジョンで生成された魔物は行動する。

 魔幼蟲はヒロトの命令を受けキーキーと金切声をあげながら共喰いを始めた。

 数えきれない魔幼蟲の大群が(うごめ)(おぞ)ましい光景を眺め、満足そうに頷くとヒロトは他の部屋に転移した。

 他の部屋の魔幼蟲にも同じ命令を出し、メインコアルームにヒロトは帰ってきた。


「クックックッ、これで今やれる事は全部終わったかな。俺の予想が正しければ魔幼蟲はこれでどんどん強くなっていくはずだ」


 これからの展開を夢想してヒロトは邪悪な笑みを浮かべるのだった。

魔幼蟲(まようちゅう) 【魔蟲Lv.1】

スキル

なし


【魔蟲】の幼体。体長は10cmほどで動きは遅く、攻撃手段は噛みつきだけというか弱い魔物。

鳥や鳥型魔物に餌にされ食べ尽くされるため成虫になれる個体はかなり少ない。



補足

【魔蟲】には種族の特性としてスキル発現、成長の補正がある。

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