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2F ダンジョン作成に向けて

説明回です


7/21 SPに関する記述の追加、誤字の修正を行いました

 ゲーム開始の宣言をして遊戯の神とやらの説明が終わった。



「異世界転移!ダンジョン対抗バトル!最高じゃないかッ!生きてて良かった!」



 ヒロトは我が世の春を謳歌していた。今なら神をチェンソーでバラバラにできそうな気さえする。

 ヒロトは滂沱の涙を流しながらも遊戯の神の指示通りに行動を開始した。



「ダンジョンコアに触れると情報が得られるって言っていたが、これってアレだよな。頭の中に情報が流れ込んできて、その負荷で激痛に見舞われる展開だろ」



 ネット小説の知識からそう考え、恐る恐るダンジョンコアに触れた。

 ヒロトがダンジョンコアに触れた途端、



『プレイヤーの接触を確認。

 プレイヤーネーム"龍ヶ崎浩人(りゅうがさきひろと)"ーーーー登録完了。

 情報のインストールを開始します』



 頭に直接、男とも女ともとれるなんとも不思議で無機質な声が響いてきた。



「こいつ!直接脳内にッ……!」



 ダンジョンコアはヒロトの戯言(たわごと)をよそに情報のインストールを開始した。



「グッ!?こ…れは……!頭が……割れ…そうだ……ッ!」



 情報の奔流にヒロトは激痛に耐えるように歯を食いしばり、右手はダンジョンコアに触れたままうずくまった。



 ちなみにダンジョンコアの情報のインストールに激痛は伴わない。ヒロトがその場のノリで演技しているだけである。

 ダンジョンコアはとても身体に優しい作りになっているのだ。



 そして情報のインストールは30秒ほどで終わった。

 ヒロトは一人きりなのに迫真の演技をし、反応してくれる人が誰もいない事に、自分は何をやっているんだろうと冷静になり、虚しさと恥ずかしさを感じながらもダンジョンコアから得た情報を整理することにした。



「こういうのって頭に書き込まれたらすぐに理解するもんだと思っていたけど、実際は頭の中に本があるような感じなんだな。

 一度全部読み解いて整理しないとほんとに理解したことにならないなんて詐欺だな」



 ファンタジーに幻想を抱いているヒロトはブツブツと文句をつけながらも情報を整理した。

 そしてわかったことは以下の通りである。




 ・この世界は地球でいう中世ヨーロッパくらいの文明だという。しかし世界には魔力という力が満ちており、それを利用した魔法の力で地球とは違った文明の進化、発展をとげている。


 ・この世界には6つの種族、ヒューマン、エルフ、ドワーフ、竜人(ドラゴノイド)、獣人、小人(ハーフリンク)が存在し、それぞれの種族に特徴がある。


 ・冒険者という職業があり、彼らは魔物や盗賊などの討伐や素材の採取、ダンジョンの攻略などで報酬を貰い生活している。

 ダンジョン対抗バトルでは他のプレイヤー以外に冒険者達からも討伐されないように防衛する必要がある。


 ・ダンジョンはDP(ダンジョンポイント)を使い、拡張したり、魔物などを創り出したりすることができる。


 ・DP(ダンジョンポイント)は毎日ダンジョンのランクに応じたポイントが手に入るほか、ダンジョン外で生まれた生物をダンジョン内、あるいはダンジョンで創り出した魔物が殺すことで手に入る。

  また、それ以外にも条件をクリアすることで貰えるボーナスポイントもあるという。


 ・ダンジョン対抗バトルに参加しているのは231人。プレイヤーたちが今いる大陸を蜂の巣状に正六角形に231分割し、それぞれ一人一つずつ各プレイヤーの領域として割り振られる。


 ・ダンジョン対抗バトルは相手に宣戦布告をしてから24時間後に開始される。しかし宣戦布告は隣り合う領域とでしかできない。


 ・ダンジョン対抗バトルは基本的に互いのダンジョンの制圧率を競い、完全にどちらかが制圧されるか、プレイヤーが降伏するまで戦争が続く。またプレイヤーを殺害するか、隷属の首輪というアイテムを使って隷属させることでも勝利となるようだ。

 そして勝者は敗者の全てを手に入れることができる。




「なるほどなるほど。だいたいネット小説のダンジョン経営モノで読んだことあるやつだわ。しかしほんとゲームのような世界だ。まさか()()()()()まであるなんてな」



 そう、なんとこの世界、【ステータス】と念じるとRPGゲームなどで見たことがあるようなステータスウィンドウが目の前に表示されるのだ。

 ヒロトのステータスは以下の通りである。




 龍ヶ崎浩人 ♂ ヒューマンLv.1

 HP 312/312

 MP 141/141

 STR 15

 VIT 17

 DEX 20

 INT 23

 AGI 15


 SP…10


 ジョブ

【ダンジョンマスターLv1】


 スキル

 なし


 《名称未設定のダンジョン》

 ダンジョンRANK0

 DP…0



 HPは生命力、MPは最大魔力値を表し、STRは筋力、VITは防御、DEXは器用さ、INTは知性、AGIは俊敏さをそれぞれ表している。

 STRやVITが高ければ物理に強く、DEXやINTが高ければ魔法や弓などの後衛職に向いているといことになる。

 ダンジョンコアに貰った情報によるとヒューマンLv.1は【種族レベル】というものであり、ヒューマンLv.1のHP、MP以外のステータスは個人の資質によるが平均値は15だそうだ。


 そしてSPは【種族レベル】が上がる度に数ポイントもらえ、それを自由に割り振ることで各パラメーターを上げたり、スキルのレベルを上げたりできるようだ。

 もちろん筋力トレーニングや修練を積むことでSPを消費せずにパラメーターを上げることも可能である。


 これらの情報からヒロトは自分は後衛よりのビルドにすることに決めた。



「SPは今は使わずに育成方針が決まった時のために取っておこう。そんで新しくスキルを取得するには鍛錬するか、DPを消費して取得できるのか。DPの使い所が難しいな」



 ヒロトは悩みながらも口角が上がっていることに気づく。ヒロトはゲームでキャラクターをどのように強くしていくか考えるのが大好きなのだ。そんなゲーマーでオタクなヒロトにとってここは天国であった。



「まあまずはダンジョンを作っていこうか。千里の道も一歩からって言うしな。

 自分の領域がどの位置にあるのか確認して、ダンジョンの構成を考えよう」



 そう言ってヒロトはジョブ【ダンジョンマスター】の効果でダンジョンコア操作して大陸の地図を表示させた。



「ほー、この大陸はこんな形しているのか。俺の領域は南の方の森の中か。そんで周りはしっかり6方面他のプレイヤーと隣接しているな。

 近くに小さな村があってそこからちょっと離れたところには大きな街もある。ダンジョン運営さえ間違えなければ良い感じにやれるんじゃないだろうか」




 地図を眺めながらどういったダンジョンを作っていくか考えること数分。

 ついに考えがまとまりヒロトはダンジョン作成に動き出すのだった。

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