7月12日(日) 凛 「くっつき中の華弥」
あんた、昨日は大変だったわね。
1日中、華弥にはりつかれて、休む間もなかったんじゃない?
華弥は昨日の日記でも「ずっといっしょにいる」って書いていたけれど、本当にくっつきっぱなしになるなんてね。
テレビを見ているときや食事中もあんたにしがみついていたし――
トイレの中にまでついていこうとしたのには、つい笑ってしまったわ。
あんたといっしょにいて、何がそんなに楽しいのかしら。
ま、華弥は最近の暑さのせいで、すぐに疲れて眠ってしまうようだし、そのせいであんたとなかなか顔を合わせられなくて、寂しかったのかもしれないわね。
いつも愛や優結に押され気味の華弥だけれど、昨日は誰にも負けない勢いだったわ。
ただ、あれだけあんたにべったりだと、華弥の将来が心配だわ。
大きくなってからも、あんたから離れられないんじゃないかしら。
娘が父親になつくのは、小さいうちだけって言う人もいるけれど――
そうじゃないことだって、あると思うし。
だいたい、あんたも嬉しそうデレデレ笑っているから悪いのよ?
遊んであげるだけじゃなくって、たまには注意もしないと。
今のままだと、自分の時間なんて全然作れないんだから!
何度も言っているけれど、娘のことばっかりじゃなくて、少しは……自分のことも気にしなさいよ。
でもおとなしい華弥が、珍しくわがままになったら、つい応えてあげたくなるのはわかるわ。
昨日の様子じゃ、今日もべったり攻撃は続きそうね。
愛と優結は私が見てるから、今日1日は……華弥の相手をしてあげても、いいかもしれないわね。




