10月31日(金) 五女・巴 「獣たちの夜」
大気にエテルが満ちて……魔力の高まるハロウィン。
魔女になった巴ちゃん……正確に言えば……魔女っぽいマントと……帽子と杖を……装備した巴ちゃんは――
煮えたぎる大釜を……かきまぜまぜ……♪
古今東西の……魔術書から……かき集めた知識を結集し……妙薬を作ったわ……。
絶大な効果を誇る……惚れ薬を……♡
とはいえ、脈のない相手には……効果がないの。
その代わり、少しでも……惹かれる気持ちがあれば……もう止められない……♡
これをパパが……こう、ぐびっと――
なになに、凛姉さん。
本当に安全かって?
……もちろんよ。
私が味見をしてみるわ……。
……うまい、もう一杯……♪
凛姉さんも飲む?
……みんな集まってきた。
せっかくなので……一杯ずつどうぞ……♪
……誰も変化がない。
もっと飲むか……。
なになに、また凛姉さん?
惚れる相手を……設定しなくて……いいのかって?
興味津々ね……。
言ったでしょう……これはもともと好きな相手を……もっと好きになる薬。
好きになる相手は……自動的に決まるわ……。
しかし……まだ効かない。
好感度が最大であれば……それ以上の効果はない……ということか……。
遅れて効果が出ることは……ないかって?
凛姉さんは心配性ね……。
いやいや、さすがにそれは……。
もしそうなら……大変なことよ……。
みんな、かなり飲んだもの……。
適量の二百倍くらい……♡
そんな状態で……効果が出たら……どんなことになるか……想像もつかないわ……。
……いえ、想像してみましょう。
気持ちを抑えられないということは……パパにしたいことを……一切我慢しないということ……。
たとえばハグ……キス……それはいつもどおり?
でも……その歯止めが利かないのよ……。
生き物は無意識に……自らの身体能力を……セーブしている……。
そのリミッターが外れれば……!
あとはそうね……甘え声が止まらなくなるわ……。
パパは気付いて?
理沙姉さんから……優結に至るまで――
パパに甘えるとき……特にベッドでいっしょになるときは――
平時より糖度の高い……熱のこもった声を……出していることに……♡
これは巴ちゃんが……独自に行った……音声成分解析でも……科学的に完全に……証明されているのよ……♪
姉妹全員分の……そんな声が同時に……響き渡れば。
パパへの影響も……重大なものになるわ……!
まあ、それでも――
パパなら……受け止めてくれるわよね……♡
――そして、戦慄の夜が訪れた。
八人の娘たちは、獣と化したのだ……!
パパへ群がり……全身に余すところなく……接吻の跡を刻みつける……。
頼りになるかと思われたママも……娘たちの熱気に当てられ、完全に興奮状態。
もはや理性を保っているのは、パパひとり……!
そして、そのパパも時間の問題であろう……!
……計画どおり♪




