2月14日(金) 【5】 五女・巴 「ステイベイビー」
ハッピーバレンタイン、パパ♡
私が作ったチョコ……食べて♡
そして、願うの。
巴ちゃんを今すぐ……およめさんにしたいって♡
いや、目を細めて……頭をなでるのではなく――
ほっぺをもみもみ……するのでもなく。
まあ、よい。
ともかく、願って。
もう、慣れっこでしょう♪
おお、ここは――
結婚式場。
見たところ――
宇宙婚や……深海婚では……ないようだな……。
しかし、まごうことなき……新郎新婦となった……パパと私がいる……♪
見て、誓いのキスよ……♡
……それにしても……私の身長。
今とあまり変わらないのでは?
本当に未来か?
実は明日あたり……パパと結婚するのでは?
いや、それはない??
ご来賓が持っている……式次第をズームすると……わかる??
それは器用な。
未来の夢も五度目となると……慣れるものですかな♪
あら、本当。
具体的な日付は……読み取れないけれど――
明日でないことは……間違いないようね。
残念。
では、あれはやはり……大人の私。
背の高いナイスバディな……お姉さんになっている予定が……外れたか。
とはいえ、そんな私を……パパが妻として迎え……愛しているのも確か……♡
ほら、パパが屈んで……私に背伸びさせることもなく……キスをしているわ♡
そして、夜になると――
ふたりの愛の時間♡
パパが抱いているのは……おお、なんと――
赤ちゃん!?
こんなに早く……いや、赤ちゃんにしては……大きいな。
というか……この声は、私ではないか?
何ということだ。
私は結婚式の夜に……赤ちゃんに扮し、パパに――
いや、夫に……甘えているというのか!?
今の私は、大人になって……体も成長することに……憧れていたが――
未来の私は……開き直って……自ら赤ちゃんになる楽しみを……手に入れているというわけね。
なるほど……これは大人の余裕だわ……。
しかも、この赤ちゃんぶりと……パパのお世話ぶり――
一度や二度ではないな……?
パパと私が……いつからこのような……関係になったか……興味は尽きない……ところであるが――
舞台は私のお部屋へ……移るようだ。
ぐずりだした私を……あやすため……パパがだっこして……つれていくという……趣向らしい。
はたしてお部屋では……どんなことが……行われているのか――。
チョコは何も見せてくれない。
お部屋から出てきた私は……相変わらず赤ちゃん――
ではなく、おしゃぶりをくわえているのは……パパの方ね。
お部屋の中では……入れ替わりが……行われたみたい♪
大きな赤ちゃん……そういうのもあるのか。
しかし、私がパパを……だっこできるわけもなく――
赤ちゃんにだっこされる……私が誕生しているわ。
そもそも私は……ねぼけまなこようだ。
はしゃぎすぎて……疲れたというわけね♪
そして、おお、この声――
赤ちゃんにしては落ち着きを感じる……理知的な泣き声は――
本物の、私の赤ちゃん♪
おお、おお……めんこいのう♡
このように愛しい存在が……私から生まれたとは。
愛と生命の……神秘を感じる……!
この子が生まれるために……これまでの私の日々も……研究も――
人類の知の蓄積も……あったのではないかと……思わせるほどの……尊さよ♡
“今”へ戻される前に……せめてこの気持ちを……伝えなければ――
好き、好き、好き、好き♡
ああ、もう戻ってしまった。
まあよい。
きっと、すぐに会えるのだから♪
しかし……奇妙なものではある。
私自身が……世間的にはまだまだ……子どもであるというのに――
もう、我が子と……出会えたというのは♪
ん、いや。
まだ戻っていないな。
というか、入れ替わってしまった……。
パパ、私は大人よ♪
だから、遠慮なく――♡
その手は食わない??
ばれたか。
なぜわかった?
むにゅ。
ほっぺの感触が……チョコをもらったときといっしょ??
いや、ほっぺを触る前から……わかっていたでしょ。
かまをかけられた……というわけね……。
そうよ、私は子ども。
いつまでも……パパの可愛い娘……♡
だから、だっこして……ベッドへつれてって♪
おねむの時間なの……。
そして、寝付くまで……そばにいてね……♡




