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2月14日(水) 【7】 令嬢の華弥 「とこしえの契り」

 ごきげんよう、先輩。

 私に何か御用かしら?

 監視している理由を知りたい??


 あら、それは――

 我が家に仕える稲荷衆のことですね。


 監視というつもりではなかったのですが――

 大変失礼いたしました。

 お詫びも兼ねて、情報部の皆さまを我が家へお招きいたしますわ。


 学園のすぐ近くですよ。

 お山の上のほうですので、登るのは少々大変かもしれませんけれど。

 放課後、お迎えにあがりますわ。




 ……はい、こちらが我が家です。

 大きくて驚いた?

 ふふ、よく言われます。


 これでも、屋敷で寝泊まりする者の人数からすれば、過剰な敷地というわけではないのですよ。

 それに、愛さんのお家のほうが、もっと大きいですわ。


 それで、稲荷衆のことですが――

 警戒させてしまって、本当にすみませんでした。


 あれは、代々我が家に仕えている――

 いわゆる忍びの者たちです。


 私の何気ない一言がきっかけで、あなた――

 先輩の警護をしておりました。


 その理由をお話しする前に、一つ質問をしてもよろしいでしょうか。




 先輩は、一目ぼれを信じますか?

 華弥は信じません!


 華弥が先輩のことをお慕いしているのは、一目ぼれではなくて――

 きっと別の世界で恋人同士だったからに違いありませんわ!


 あるいは――

 父娘だったのかも♡

 先輩は、華弥のお父さまかもしれませんわ♡




 それなのに、華弥がこの世で先輩を知ったとき――

 先輩はすでにたくさんの女性と親密で。

 しかも、情報部の一員として、人助けをしているではありませんか。


 先輩の身に何かがあってはいけないと思い、つい不安をもらしたところ――

 稲荷衆が、陰ながら先輩の警護をすることになってしまったのですわ。


 ですが、もう下がらせました。

 ご安心ください。


 その代わり、華弥を――

 情報部に入れてくださいまし!


 これからは、稲荷衆ではなく、華弥自身が――

 先輩をおそばでお守りいたしますわ♡


-


 情報部での日々は、まるで夢のようですわ♪

 放課後にみんなで食べるハンバーガー。

 ゲームセンターで先輩に取ってもらったぬいぐるみ。

 どれも初めて経験することばかりでした♪


 先輩と華弥をつなぐ赤い糸。

 久遠の彼方より続く(えにし)は、やはり真のものであったのですね♡


 理沙さん、翔子さん、凛さん、美貴さん、巴さんも――

 今では華弥にとってかけがえのない友です。


 先輩と華弥が結ばれた後も、特別に――

 先輩と関係を続けていただいてもよいのかもしれません♪


 結ばれるとは何のこと……と?

 あら、お忘れですか?


 華弥が情報部へ入部する際の条件として――

 先輩と華弥は許嫁となることが定められていたはずですけれど。

 うふふ♡




 それはさておき。

 この満ち足りた日々に、気がかりがあるとすれば――

 愛さんですね。


 この学園の理事長も一員である財閥グループのご令嬢で、時期理事長の最有力候補なのですが。

 どうも前々から私の様子を探っているようだ――

 と稲荷衆の報告にありましたわ。

 案外、愛さんも先輩と遊びたいだけかもしれませんけれど♪


-


 先輩――

 とうとう、このときが訪れました。


 此度のバレンタインデー、華弥に会いに来てくださいますね?

 許嫁という未来の約束だけをよすがに、いつまでも待っている私ではありませんの。


 この契りを、確かなものといたしましょう。

 いつまでも、お待ちしていますわ――♡

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