2月14日(水) 【3】 陸上部の翔子 「親友で、アイボーで、」
ピンポン、ピンポーン!
とーちゃん、おっはよー!
お隣の翔子が迎えに来たよーっ!
えへへ、今朝もボクが早かったね♪
今の時期は陸上部の朝練じゃないかって?
そーだよ!
だから、ほら!
体操服!
もう、ちょっと土が付いてるでしょ。
朝練の後、急いで迎えに来たんだー♪
これ、ボクの脚だからできるコトだからね☆
じゃ、今日も元気に行こ~っ!
あれ、とーちゃんはお弁当ないの?
わかった、理沙さんでしょ!
学校で、理沙さんの手作りお弁当もらうんだー!
いいな~、いつもおいしそうだもんね。
ボクも食べたいよー!
いつからそんなに仲良くなったの?
前は、ほとんどお話しもしてなかったのに。
今度ボクにも紹介してよ!
ボクだって、理沙さんのお弁当、食べたいもん!
……そして、お料理を教えてもらって――
自分でも作れるようになるんだ。
ホントに紹介してくれるの!?
理沙さんも、ちょうどボクと話したいって言ってた!?
やったー!
さすが、とーちゃん♪
ボクの幼なじみにして親友なだけあるね♡
……あれ?
そう言えばボク、何でとーちゃんのコト、とーちゃんって読んでるんだろ。
あだ名ってカンジでもないし――
ま、いっか。
とーちゃんはとーちゃんだもんね♪
-
理沙さんって、本当にいい人だね!
あ、理沙って呼ぶ約束してるんだった。
あらためて――
理沙って、本当にいい人だよね。
ボクとは全然タイプが違うから、仲良くしてもらえるか不安だったケド――
今では一番の親友だよ!
自分は親友じゃないのかって?
ううん、とーちゃんも親友だよ。
でも、それだけじゃなくて――
もっと別の何か。
そう思うようになったのも――
理沙と知り合ってからかも。
そして、理沙と知り合えたのは、とーちゃんのおかげだし――
とーちゃんは、やっぱり特別な親友。
ボクのアイボーだね!
夏休みになったら、三人でプール行ったりしてたくさん遊ぼ♪
問題は――
風紀委員の凛さんか。
ボクたち、何だか目を付けられてる気がするんだよね。
いつだって、節度を持って行動するように言ってくるし――
いっしょについて来そうな勢いだよ!
……ボクがいたずらばっかりするから?
そんなコトないよ~!
それに、どっちかっていうと――
凛さん、とーちゃんばっかり見てない?
凛さんとももっと話せたら、何とかなるのかな。
いっそ、こっちから誘っちゃえば、とーちゃん♪
-
いよいよバレンタインデーが来るよ、とーちゃん。
今年のとーちゃんは、いつもみたいに――
ボクの友チョコしかもらえないなんてコトは、なさそうだね。
これまで毎年作り続けて来た友チョコの役目も――
そろそろおしまいかな。
じゃあ、この前買ってた材料は何のためかって?
あ、引っかかったなー!
別に、とーちゃんへの友チョコを作らないからって――
バレンタインにチョコを作らないとは言ってないもんね♪
だから、とーちゃん。
その日は――
ボクに会いに来てよ。