1月3日(水) 長女・理沙 「未来のあなたを言祝ぐために」
両手ですくった温泉の湯。
そこへ、窓から入ってきた小さな雪がそっと着地すると。
たちまちとけて、温泉の一部になってしまう――。
とけてしまった雪は、もう全然冷たくなくて。
温泉といっしょに、私たちを温めてくれます。
でも、もっとたくさん雪がふきこんできたら――
やっぱり寒いかしら。
温かさと冷たさの境界は、何だか不思議ですね♪
お父さん、こちらの窓からお庭を見てみてください。
みんなで作った、ぶたさんの雪だるま――
大きな雪ぶたさんが見えますよ♪
温泉の中まで眼鏡を持ってきてよかった♪
温泉旅館の方が言うには――
あのまま、とけるまで置いていてくれるそうです。
天気予報だと、明日までは残りそうなんですって。
とけてしまうのは、私たちが帰った後ですね――。
あの雪ぶたさんの名前は、“たつこ”ちゃん。
優結ちゃんが――
「おなまえつけて! でも、ぶたさんじゃないおなまえよ。にんげんに、にんげんってつけないもの!」
って言うから。
辰年にちなんで、考えました。
一分くらいで♪
こういうことは、よくあるんです。
優結ちゃんたちがかいた絵には、みんな自分で名前を付けることが多いけれど。
「このこは、なんておなまえかしら!?」
って、ときどき聞かれるんです。
他には、私が作ったお話に出てくるキャラクターで、特に名前は決めていなかった子のことをよく聞かれますね♪
私は、キャラクターの名前を決めるのに、時間がかかることが多いけれど。
とつ然聞かれたときは、不思議とすぐに出てきます♪
でも、昨日は――
全然出てきませんでした。
愛ちゃんに聞かれた――
お父さんとの子どもの名前。
愛ちゃんが言うとおり――
私の中で、いくつか候補はあるんです。
けれど、それはとても大事なことだから。
これでいいか、考え出すと止まらなくなってしまいます。
一度考え始めると、つい真剣になやんでしまって――
色々と調べものをしたり、時間がかかってしまうので。
ふだんはあまり考えないようにしているんです。
まだまだ、何年も考えているうちに――
今一番いいと思う名前でも、気持ちが変わるかもしれないですしね♪
うふふ、いくら名前を考えたって、本当に付けることはないはずのに――
おかしいですよね♪
でも、名前って――
考えているだけで楽しいんです。
考えた名前は、お話にだって使えますし♪
だから、お父さんにも――
考えてもらえたら、うれしいです。
それとも、もう八人分考えたから――
これ以上は大変かしら♪
あ、優結ちゃんが、かえる泳ぎで、おむかえに来てくれました♪
貸切温泉だからできることですね♪
優結ちゃんは、誕生日をむかえて、ますます元気です♪
そろそろ次のお湯へ行きましょう。
……顔が火照ってる?
大じょうぶです。
お湯にのぼせてはいないですし――
次のろ天風呂では、雪に冷ませてもらえます♪




