2月14日(火) 【5】 長女・理沙 「思い出図書館の大合唱♪」
天狐の背に乗ってやってきたのは、久しぶりの妖精界♪
そして、ここは――
その大図書館♪
大きな木の中がそのまま図書館になっていて、まわりのどこを見ても、本がぎっしり並んだ本だな。
ここが、私のステージです♪
目に付いた一冊を手に取って、そっと開いて、読み進めれば。
火に水、風に土――
色とりどりの妖精さんたちが、羽音を鳴らし、歌を歌って、飛び回ります♪
私の衣装も、うすく軽やかで、自由に宙を飛べる妖精製。
お父さんも、好きな本を手に取り、読んでみてください。
どれを選んでも、ページをめくれば、あたたかな思い出があふれ出します♪
高いところの本は、宙にうかべば、取りに行けますよ。
ここではお父さんも、妖精さんの仲間ですから♪
……気が付きましたか?
そう、ここにある本は、どれも――
お父さんと私たちの思い出がつづられたアルバムです♪
とった覚えのない写真もある?
ええ、だってここのアルバムは――
写真ではなく、思い出を収めたものですから♪
これほど大きな図書館をうめつくしてしまうほど――
私たちの思い出は、たくさんになっているんですね……♡
ここは、バレンタインのために作られた、思い出の図書館。
本当の妖精界の大図書館は、今は別のところにあるんですよ。
お父さん、それは――
私が生まれときの本。
この想いが始まったときの本ですね――。
赤ちゃんの元気な泣き声が――
私の産声が、聞こえてきます――。
そして、私が胸に抱えているこの赤い本。
これは、禁帯出の秘密の本――
本だなには並べることができない一冊です。
でも、お父さんには、いつか読んでもらいたいな――。
まずは、一ページだけ。
まあっ、本の間から、音符があふれて――
愛の歌の大合唱♪
私の胸の中は――
たった一ページ開いただけで、こんなにおさえきれなくなってしまうの?
ううん、おさえる必要なんて、ないんですね……!
よかったから、お父さんもいっしょに歌ってください!
あれ、図書館を飛び回っている妖精さんたちの中に――
チョコ妖精さんのブラウニーちゃんたちもいるわ!
ショッコランドから遊びに来たのかしら。
お外では、神社からついてきてくれた、お友だちやお狐さんたちがお茶会をしているはずですし、そろそろ行きましょうか。
次のステージが待っています♪