10月22日(土) 六女・華弥 「あきかぜはこぶいたずらごころ♡」
もう、はいっていーい?
あたらしくなったすてきなおへや、はやくみたいわ♪
それでは――
いち、にの、さーん!
まあ、おおきなベッド!
これなら、かぞくそろってねられますね♪
お父さま、みんなのおねがいきいてくれて、ありがとうございます♡
うふふ――
これでいつでも、お父さまをかこんで、すてきなよるをすごせるのね――♡
いままでのベッドも、おおきかったけれど。
お父さまとお母さま、それに、愛、優結、華弥と、あとひとりくらいで――
ぎゅうぎゅうになってしまっていたわ。
みんなでねるには、とくべつなひだけで、リビングをおかたづけしなきゃいけなかったの。
華弥よりもうえのねえさまたちは、じぶんのおへやがあって、いつもはひとりでねていて――
まいばんお父さまといっしょじゃないなんて、ちょっとさびしかったはずよ。
だから、あたらしいこのベッドは、とってもすてき♪
みんながおんなじように、お父さまとだきあってねられるんですもの♡
もちろん、ひとりになりたいときは、いままでどおり、おへやもつかえるし――
お父さまは――
「きっと、おへやでねるこがおおいんじゃないかなあ」
なんていうけれど。
華弥はちがうとおもいます。
だって、華弥は、かたときもお父さまとはなれたくなくて――
お父さまがいないときでも、となりにお父さまがいるつもりで、すごしているんですよ?
それなのに、ねるときに、お父さまがいないなんて――
いいゆめをみにくくなりそうで、こわいわ。
ねえさまたちだって、おなじはず。
それにね、さいきんなんだか、みんな――
いたずらをしたくって、しかたがなくなっているんです♡
かぼちゃみたいなあまいにおいのまじった、あきかぜのせいかしら。
いっしょのベッドでねているお父さまなんて――
いたずらには、いちばんでしょう♪
うふふ――♡
でも、華弥たちは、お父さまがしあわせになるいたずらしか、しません♪
お父さまのこころとからだを、いっぱいのあいでつつんで――
ゆめのなかでも、ゆめをみられるようにしてあげるの――♡
そして、ゆめか、おきているか、わからなくなって――
お父さまのほうこそ、いたずらっこになっちゃうかも♪
そのときのお父さまが――
もしかしたら、ほんとうのお父さま。
きょうは、はやく、ぐっすりねてね。
よふかしは、華弥たちだけ――♪
よなかにめがさめたら――
そこは、ちがうせかいよ♡




