6月19日(日) 【6】 六女・華弥 「聖愛」
神社のお掃除、終わり~!
お父さま、お手伝いありがとうございました♪
あれ、お父さま――?
ふふっ、やっと来たんですね。
お待ちしてましたよ♪
12年前のお父さま♡
もう、だいたいわかるかしら?
今の華弥は18歳で――
お父さまと結婚したばかりなんです。
大願成就の幸福の中――♡
巫女装束が似合っている?
ふふ、ありがとうございます♪
ときどきここで、お手伝いをしているんです。
このお山の稲荷神社も、あの頃からずいぶんきれいになって、見違えるようでしょう♪
見てください。
この眺め――
華弥たちの町が全部見えます。
本当に、きれいな町ですね――♡
――ふふ、そうでしょう♪
普通の町に見えるかもしれないけれど。
今までずっと暮らしてきた――
お父さまとの愛の思い出に満ちた町です。
この景色を見せたくて――
父の日なのに、お父さまにお手伝いを頼んじゃいました。
それに、少しの間、ふたりきりになりたかったから――。
わがままを言ってすみません。
でも、お父さまは華弥のわがままを何でも聞いてくれるんですよね……♡
そして、あんまり華弥がいけない子だと――
きちんとおしおきしてくれるんです♡
だから、華弥は安心してわがままになって――
お父さまに甘えてしまえます♡♡
……おしおきなんてしない?
……そうですね、お父さまは優しいもの。
それに、お父さまの知っている華弥はまだ幼稚園。
そんな怖いことなんて、お父さまがするはずありません。
でもね、ときには――
厳しくならないといけないこともあると思うんです。
――特に、華弥みたいな子には♪
そのことをお父さまは――
この12年間で、よくわかってくれたんですよ……♡
過去から来たお父さまはどうかしら?
さっきまで、子どもの華弥をずっと見てきたお父さまは――
大人になってもこんなに甘えんぼうの華弥を……叱ってくれる?
……全然叱るところなんてない?
立派になってくれてとても嬉しい?
もう、お父さまったら。
たくさん褒めるだけなんて。
まだ、華弥をもっと喜ばせるやり方を知らないんですね――♡
でも、お父さまの心からの言葉――
華弥も、とっても嬉しいです♪
やっぱり、いつでも甘えたくなっちゃう、素敵なお父さま――♡
もう少し、甘えていいですか?
子どもの頃に戻った気持ちになって――。
お父さまにも、華弥が――
あんなに小さかった頃から、どれだけ大きくなったか、見てほしいです――♡
……神社の敷地で、はしたないかしら。
お稲荷さまは、とても優しいし、よくしてくれているから、大丈夫だとは思うけれど――
そうですね。
近くの休憩所まで行きましょうか。
――。
――――♪
――――――――♡
ねえ、お父さま。
さっきまで、6歳だった娘と結婚しているのって――
どんな気持ち?
幸せな気持ちだったら、華弥は嬉しいな――♡