6月19日(日) 【2】 次女・翔子 「汗とシトラス」
とーちゃん、起っきろー!
……どうしたの?
ボクを見て、驚いた顔して。
何か大きくなってる気がする?
あ、わかった。
昔の時代から、飛んできたんでしょ♪
たまにあるんだよね。
そのうち戻れるから気にしなくっていいよ!
それまで、18歳のボクと楽しも♡
へえ、さっきは理沙姉のとこにいたんだ。
もしかして、新婚時代のボクたちに、順番に会いに行ってるのかな?
特別な父の日だもんね。
そんなコトありそうだよ♪
まだ、ぼーっとしてる?
理沙姉やボクと結婚しているのが夢みたい?
っていうか――
ボクと結婚したコト忘れてる!?
って、それはそうか。
とーちゃんが知ってるのは、11歳のボクまでだもんね。
……運動したら、頭がすっきりして、思い出せるかも。
ベッドの上でもできる運動、ボク知ってるんだ♡
もともとは、とーちゃんが教えてくれたんだケドね。
雨とかで、外でなかなか出られないときでも、楽しくカラダを動かせるんだよ♪
とーちゃんは、じっとしててもいいから。
最初はボクに任せて――♡
――。
――――♪
――――――――♡
ふぅ、いい汗かいたね!
どう、思い出せた?
っていうか、思い出せなくても――
結婚してたんだなぁ、ってわかっちゃったカンジかな♪
え……ボクからいいにおいがする?
えへへ、ありがと♪
とーちゃんの汗だって、ドキドキするいいにおいだよ♡
そういうコトじゃない?
あ、これかな。
オレンジ系の香水をつけてるんだ。
もしかしたら、とーちゃんは――
汗だけのにおいがしてるほうが好きかもしれないケド。
ボクがこういうの好きになっちゃってるんだから、ガマンしてよね♪
とーちゃんもつけてみる?
あ、もう――
ボクのにおいがうつってるかな♪
おそろいだね♡
目が覚めて、元気になって――
そろそろ、もっとしっかり運動したくなってきたんじゃない?
それなら、上の階に行こ!
お家の中に、トレーニングルームができてるんだよ☆
まだ小さいケド、そのうちもっと設備を増やしたいって思ってるんだ。
子どもたちの遊び場にもなるしね。
それより、朝ごはんを食べたい?
いいよ、ボクが作ったげる♪
みんなにもあいさつしようね。
……その前に、シャワー浴びてかない?




