6月19日(日) 【1】 長女・理沙 「分け合いきれないほどの愛を♡」
おはようございます、お父さん。
ふふっ、あわてなくても、今日はお休みですよ♪
まだ、おねむなんですね。
これで、起きられるかしら?
――ちゅう♡
……どうしました?
そんなに驚いて。
毎朝している、お目覚めのキスですよ。
何だか、いつもより大きい?
もう、どこを見ているんですか♡
いつもと――
昨夜と同じですよ♡
そんなに、確かめたいんですか♪
……本当に、何かありましたか?
私の年齢?
18歳ですよ。
やっとこの歳になれて――
お父さんと結婚したばかりです♡
もしかして、覚えていないんですか?
大丈夫、落ち着いてください。
時を超えて意識が旅してしまうことがある――
って、巴ちゃんが言っていました。
お父さんが知っている私は何歳ですか?
12歳?
それなら、急にこんなことになっていて――
驚いてしまいますね。
びっくりさせてしまって、すみません。
心配しなくても、そのうち元の時代に戻れますよ。
だから、今は――
未来の私と、お話ししませんか♪
さっきも言ったとおり――
今のお父さんと私は、結婚しているんです♡
お父さんがいる時代から、少し経つと。
親子でも、結婚できるようになるんですよ!
信じられなくても――
結婚式の写真や、証明書だって、お見せできますよ♪
……何だか、そんなことがあった気がしてきた?
未来の記憶を思い出す――。
本当にあるんですね。
私たちは夫婦で――
そして、今の私は、12歳の小学生じゃなくて、18歳の大人です。
だから、もう――
どんなことだって、できるんですよ♡
長い間、ずっと、夢に見てきたこと。
たくさんたくさん空想して。
文章や絵に描いて。
きっと叶えられないって、我慢してきたこと。
全部、できるようになったんです――♡
……なんて、私がはしゃぎすぎてしまったから。
お父さんの意識が、ちょっぴりお休みして。
少し前の頃と交代してしまったのかしら。
もう少し自分を抑えないと――
はしたないですね。
今日は、ゆっくりしていてください。
せっかくだから、もう少し――
ふたりで、ベッドにいますか?
こうしていたら、昨夜のことも、思い出してもらえるかも。
お父さんが落ち着くまで、抱きしめていますから――
安心してくださいね♡
――。
――――♪
――――――――♡
ふふ、やっぱり、あの頃のお父さんだ♡
触れ方が今と違うのが、よくわかります♪
――いけない。
つい、いつもの調子になっちゃう。
私ったら、結婚してから、どんどん甘えんぼうになってしまっていますね――。
そろそろ、行きましょうか。
このままだと、一日中、お父さんをベッドから逃がせなくなってしまいそうです♪
今日は大事な父の日。
朝ごはんから、みんな張り切っていますよ♪