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4月29日(金) 六女・華弥 「なまえのないきもち」

 愛がとつぜんおもいついて――

 おうちのみんなにインタビューをしていました。


「パパのすきなところをおしえて!」

 って。


 みんな、たーくさんおしえてくれましたよ♪

 だいすきなひとが、みんなに、すき~♡ っていわれていると、とってもうれしくなりますね!




 華弥もおこたえしました。

 なんども、なんども♪


 だって、お父さまのすきなところなんて――

 いくらいっても、まだまだあるんですもの♡


 お父さまのこえ。

 お父さまのおかお。

 お父さまのかみ。

 お父さまのからだ。

 お父さまのて。

 お父さまのゆび。

 お父さまのつめ。


 ぜんぶ、ぜんぶ、だいすきです♡♡




 でも――

 なんだかちがうんです。


 華弥は、お父さまのにおいがすきだから、お父さまがすきなわけでも――

 お父さまのだっこがすきだから、お父さまがすきなわけでも。

 ないきがします。


 お父さまがすきだから――

 お父さまがすき、なのかな。


 どうしてこんなに、お父さまがだいすきで――

 こころのなかが、いつもお父さまでいっぱいなのか。

 ときどき、かんがえます――。




 あのね、お父さま。

 華弥はね――

 とっても、はんせいしてるんです。


 バレンタインのひ――

 チョコのせかいのおもいで。


 とってもたのしくて、しあわせで――

 わすれそうになるけれど。


 でも、あのとき――

 華弥は。

 もしかしたら、お父さまへのきもちが、ほんものじゃないのかな――

 って、おもってしまいました。


 そんなことをいって、ないてしまいました。

 ……せいはいが、でてこなかっただけなのに。


 もし、あのとき――

 なにもおきないままだったら。


 華弥は――。

「ほんとうはお父さまがすきじゃなかったんだ」

 って、おもってしまって。

 そのままになってしまったんでしょうか。




 あれから、たくさんかんがえて――

 いまは、わかります。


 華弥はなにがあっても――

 お父さまがだいすきです!




 もし、せいはいがでてこなくても。


 だれかが。

 みんなが。

 せかいじゅうのひとたちが。

「華弥はほんとうは、お父さんをすきじゃないんだよ」

 っていっても。


 たとえば、お父さまが――

「華弥にはいつか、お父さんよりすきなひとができるよ」

 っていっても。


 それはぜんぜん、かんけいなくって。

 ぜったい、まちがいなく――

 華弥はお父さまのことが、だいだいだいすきなんです。




 ううん、ほんとうは――

 そんなことだって、どっちでもいいの。


 きもちがほんものか。

 どれだけだいすきか。

 きにしなくっていいの。


 華弥は、じぶんのことを――

 お父さまをあいするためにうまれてきた。


 って。

 しってるもの。




 お父さまは――

 ちがうよ。

 って、いうかもしれないですね♪


 ただ、しあわせになってほしいよ。

 お父さんやお母さんのことなんてきにしないで、たのしくあそんでいいよ。

 って、よくいいますもの。


 でも、やっぱり――

 華弥のいちばんのしあわせは、お父さまなんですよね……♡


 ああ――

 お父さまにさわるだけで、どうしてこんなに、うれしくなって――

 きもちよくなるのかしら……!




 華弥はえいえんに、お父さまをおもいつづけて。

 おそばにいつづけます。


 そして、もし、お父さまが――

 華弥をしあわせにしたいって、おもってくれるなら。


 もっと、お父さまからも――

 華弥にふれて、だきしめて、キスをして――

 華弥にしたいことがあったら、なんでもしてくれるとうれしいです♡


 お父さまが華弥にしてくれることは、ぜんぶうれしいし――

 華弥だって、お父さまのしあわせが、いちばんのねがいなんですから♡


 なんにもしたいことなんてないよ――

 って、いうなら。

 華弥のほうから、お父さまをおいかけますからね――♡

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