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2月14日(月) 【2】 六女・華弥 「おとめのいのり ~ホワイトチョコ礼拝堂~」

 なめらかなホワイトチョコのかべ。

 しずかで、きれいなここは、ホワイトチョコれいはいどう。


 アラザンでかざられた、「デコレイしょ」をぱらぱらめくると――。


「いのりのまで、()()にじゅんすいな、こいごころをしめせば、せいはいがこうりんする」


 ふむふむ……!




 きっと、この、まるくてひろいところで、いのればいいんですね!

 ステンドカラメルにえがかれたおんなのひとが、おなじことをしてますもの。


 がんばりますから、そこでみていてくださいね、お父さま!

 華弥のきもちは、ほんとうのほんとうだから、きっとすぐにせいこうですよ……♪


 てをくんで、めをとじて――

 いとしいひとのことだけをかんがえるの。


 お父さま、だいすき――!




 ――。

 ――――。


 あれ?

 まだ、きもちがたりないのかしら?


 お父さま、お父さま、お父さま――♡


 ……なにもおきないわ。

 だったら、もっと、もっと――

 お父さまで、こころをいっぱいにします――!




 華弥がうまれたときから、からだをふいて、おむつをかえてくれたお父さま。

 ひとりじゃなんにもできない華弥を、お母さまやねえさまたちと、そだててくれたお父さま――。

 あかちゃんの華弥の、わがまななところも、なきむしなところも、きたないところも、はずかしいところも、ぜんぶしって、それでもあいしてくれるお父さま――♡

 華弥がいちにちじゅうおもっているのとおなじくらい、華弥たちのことをかんがえてくれているお父さま――♡♡

 いつまでも、ずっといっしょで、えいえんにあいしつづけると、ちかってくれたお父さま――♡♡♡

 もしも、華弥がとおくにいったら、せかいのはてまでさがしにきて、もうどこにもいかないように、だいじにとじこめて、にどとはなさないお父さま――♡♡♡♡

 華弥が、お父さまをだいすきなじんせいをおくるために、このせかいにうまれさせてくれたお父さま――♡♡♡♡♡


 華弥は、そんなお父さまのことが、ほんとうにだいすきです♡♡♡♡♡♡




 えっ。

 なにもおきないの……?

 どうして??


 華弥はお父さまをすきなのに。

 ぜったい、ぜったい、ほんとのほんとに、すきなのに――!


 華弥のきもちは、ほんものじゃないっていうの……?

 くすん。




 ごめんなさい、お父さま。

 華弥は、おいのり、じょうずにできなかったみたい……。


 やさしくしないで――!

 お父さまにだっこされたら、たくさんないちゃう――。


 なんにもできなかったのに――

 お父さまのこと、もっともっと、すきになっちゃう……!




 ああっ!

 わかりました!


 お父さま――

 キス、させてください――♡

 ちゅう――♡


 わぁ――

 てんから、ひかりがさしてきましたよ!

 やっと、せいこうですね♪


 お父さまをすきなきもちが、がまんできなくなったとき――

 いつもすること。


 それは、こころのなかで、なんどもなんどもキスをすること――♡

 いつものとおりで、よかったんですね♪




 あらわれたのは、キラキラのせいはい。

 なかにあるのは、なまクリーム!

 まっしろで、なんてきれい……。


 え、え~!?

 せいはいが、ふたつ、みっつ――

 どんどんでてきます!


 ぱちぱちぱち――!

 しんかんふくの、ブラウニーちゃんたちがあつまって――

 おいわいしてくれているけど。

 ありがとう、っていいたいけど。


 そんなばあいじゃないですよ!

 こんなにもらって、いいのかしら……?




「デコレイしょ」によると――。


「しめしたこいごころのおおきさによって、でてくるせいはいのかずはかわります。あまりにおおきいと、たくさんでるので、ようちゅうい! ほどよく、かげんしましょう。さいこうきろくは、7こです」


 ――ですって!


 どうしましょう――

 12こも、でてきちゃいました……。

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