1月3日(月) 三女・凛 「きれいなせなか」
優結って本当に――
おもち……よく食べるわね。
商店街のおもちつき大会でいただいた分だけでは、たりなくて――
お家で用意していた分まで、食べつくすいきおいよ。
さすが、今日がたんじょう日なだけあるわ。
成長期ね――
って、それはたんじょう日と関係ないか。
私は食べないのかって?
ええ。
おもちは好きだけれど――
おなかに、よゆうを持たせておくわ。
もしかしたら、そのうち優結がおなかいっぱいになって――
焼いたおもちを食べきれないかもしれないもの。
そのとき、残りを食べられるようにしておかなくちゃね。
その心配はないだろうって?
ま、この食べっぷりならそうね♪
でも、あんただって――
私と同じつもりで、あまり食べていないんでしょう?
どうして、こんなときだけ、考えることがにるのかしら――。
何て言っているうちに、そろそろおふろの時間ね。
優結がおもちに満足したら、いっしょに入るんでしょう?
ごゆっくり――
いってらっしゃい。
……何よ。
凛もいっしょに入ろう、って言わないの?
さそわれたら――
乗ってもいいって思っていたのにな――。
おどろくことないじゃない。
今さらだもん。
昨日も、ひさしぶりに――
いっしょに入ったんだし。
あの、すごろくのせいで。
私、小学生にもなって、あんたとおふろに入るなんて――
変なんじゃないかなって、思っていたの。
でも、変じゃないのかも――
っていうか、変でもいいのかも。
って、昨日、思ったわ――。
冬は、ひとりで入るより――
あったかいし。
だから、これからも――
あんたとおふろに入ってもいいわよ。
って、何えらそうに言っているのかしら。
……もし、よかったら――
たまには、いっしょにおふろに入りましょう。
せなかくらい、流せるから。
……あんたのせなかって、案外きれいよね。
シミとかキズとか、あるだろうって?
そうね、たしかにいくつか見つけたけれど――
それは、そういうものでしょう。
私たちより、ずっと長く生きているんだもの。
私が言っているのは、そんなことじゃないの。
ただ、あんたのせなかを見たとき、きれいだなぁ――
もっとみがいてあげたいな――
って思った……っていう、何となくの、印象の話よ。
自分のせなかは見えにくいから――
あんたには、わからないのかもね。
代わりに、私が見ていてあげるわ♪
でも、私の体は――
あらってくれなくていいからねっ!
そういうのは、優結たちにしてあげて。
それから、じろじろ見るのも、きんし!
シセンを感じたら――
頭からシャワーを浴びせてやるんだから――♪