9月24日(木) 三女・凛 「フロントランナー」
私が生まれたときから。
理沙姉さんは、きれいで、優しくて、たよりになって――
あんたのことが好きだった。
泣き虫な私をいつも守ってくれて――
あんたがいないときは、あんたのお話をしてくれていたの。
大きくなっても、すてきなところはそのままで――
どんどん何でもできるようになっていった――。
今ではもう、わが家のもう一人のお母さんみたいね。
私とは、ふたつしかちがわないのに。
私が生まれたときから、ずっと私の目標――。
あんたに気持ちを伝えるのも――
先をこされちゃった。
いいえ、ちがうわね。
理沙姉さんが動かなかったら、私も一生、前に進めなかったわ。
だって、私には――
そんな勇気はなかったもの。
そういう意味でも――
私の恩人。
その理沙姉さんが、選んだあんた。
今日の理沙姉さんのおたんじょう日には、楽しい思い出をたくさん作ってあげなさいよねっ!
……とは言っても、今日はそんなに時間もないから。
土曜日あたりに、デートにつれていってあげてほしいの。
ふたりきりでごゆっくり♪
――と言いたいところだけれど。
理沙姉さんから、私たち妹にもついてきてほしいと言われちゃったわ。
だったら、私たちはするべきことをするだけね。
つまり、あんたがデートで、変なことをしないかチェックするわよ!
例えば、理沙姉さんが手をつなぎたそうなのに――
知らない顔をしているとか。
だきしめてほしそうなのに――
よそ見しているとか。
そんな悪いことをしていると、おしりをつねりあげてやるんだから!
あんたがちゃんとできているなら、ジャマはしないわ。
みんなで温かい目で見守ってあげる♪
もし、デートが長引いて――
本当にふたりきりになりたいなら。
えんりょなく言ってね?
翔子姉さんや妹たちをうまくなだめて――
少しお先に帰るから。
土曜日だけじゃなくて――
今夜も少し、がんばるわよ!
理沙姉さんへの感しゃをこめた、特別レシピ。
まだまだ練習中で、理沙姉さんやママには、全然およばないと思うけれど。
それでも、しないわけにはいかないから。
今日の夕飯は――
翔子姉さんと美貴と私が作る、ツナピラフとサラダとコンソメスープよ!