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4月16日(火) 五女・巴 「春の夢」

 ふぁあ~~~あぁぁぁ…………。。。

 今日も学校か……。

 眠い……めんどい……。


 最近、朝……とても眠いのよ……。


 まだ学校が始まって……少ししか……経っていないのに、って……?

 そう……だったかしら……。

 眠くて……よくわからないわ……。


 夜ふかしは……していない……。

 言いつけを破って……遅くまで起きていると……パパから……厳しいおしおきを……されちゃうもの……♡

 きっとね……♡




 であれば……眠い理由は……睡眠の質……。

 最近は……ひとりで寝ることが……多いから……。


 パパに抱かれて……むんぎゅと……押しつぶされながら……寝た場合は――

 非常に良質な……睡眠を取れると……データにも出ている……♡

 そういのが……足りないんだわ……。


 前にそうしたとき……目が冴えすぎて……なかなか寝付かなかったって……?

 そうかしら……。

 眠いから……思い出せない……♡




 ……仕方ないから……学校行くか……。


 朝のパパは……ばたばたしていて……対応が塩いもの……。

 誘いがいがない……。




 でも、あまりに眠いと……登校中の記憶が……あいまいなのよ……。


 ランドセルを背負って……理沙姉さんや……凛姉さんに……手を引かれ――

 お家を出るでしょう……?


 そうして……サクラはまだ……残っているな、とか――

 道路の脇の……タンポポの近くを……アリが歩いているな、とか……考えて――。


 あの鳴き声は……ウグイス……?

 それともサワラ――

 いや、それは……魚だったかしら……なんて、思ううち――。


 いつの間にか……手をつないでいるのが――

 同じ組のかなちに……変わっていたりするのよ……。


 周りには……しげみ、れれぽ……ぢゅびまる(※)たちもいて――

 ぼーっとしてると……あぶないから、って……ランドセルを代わりに……持ってくれていることも……ある……。


 姉さんたちは……少し離れて……それぞれのご学友と……お話中……。




 気が付くと……もう校門を抜けて――

 席に着き……先生が話していて――

 後ろの席のかなちが……私の髪を……引っ張っている――。


 それから何度か頬を……指や鉛筆の背で……つつかれたり――

 うなじや耳に……息を吹きかけられたり……するうちに――

 私は完全に……覚醒するのだ……。




 けれど……体育で運動……させられたり……給食を食べたり――

 帰宅して……パパの資料を見たり……していると――

 また、パパの夢へ……吸い込まれる……。


 …………むにゃ……。




 パパが帰るまで……夢の中にいても……いいのだけれど――。


 たいていは……家まで押しかけてくる……かなちや――

 部屋まで乗り込んでくる……優結たちによって――

 再び陽光の(もと)へ……連れ出されるのだった……。




 天気のいい春の午後……さわやかな空の下――。

 それはそれで……眠気を誘う……。


 まるで毎日が……ふわふわとした……夢みたい……。


 だって……パパと離れているときに……こんなに笑っているなんて。

 現実のはずがないもの――。




---


※しげみ、れれぽ、ぢゅびまる:

 “かなち”こと可奈絵さんと同じく、巴ちゃんの組のお友だちみたいですよ♪ (理沙より)

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