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3月15日(金) 三女・凛 「お礼」

 今日は、私にとっては――

 っていうか、姉妹みんなにとっては、そこそこ特別な日。


 この日記が始まった日だもの――。


 あんたにとっても、少しくらい――

 特別だったりするかしら……?




 日記を書くことになったときは――

 ママったら、何言ってるんだろう、って思った。


 書くことなんて……ここに書けることなんて、何もないのに。


 けれど、始めてみると、思ったより書けるもので――

 いつの間にか、ずいぶんと続いちゃったわ。


 ……読んでくれる人がいたから――

 かな。


 それまでの日記は――

 誰にも見せられないものだけだったから……。




 きっと、この日記がなかったら。


 今、こうして――

 あんたの目を見て、話をするなんてこともなかったわね。


 だから、お礼を言っておこうかな。

 私たちに、気持ちを書き残す場所をくれて、ありがとう――

 ママ。




 私は、同じことを何度も言うのは好きじゃないの。

 言わなくてもわかるはずの、当たり前のことを言うのもキライ。

 特に、あんたにはね!


 けれど、こんな日だから――

 一度だけ言っておくわ。


 私の伝えたかったこと、ちゃんと聞いてくれて――

 ありがと。




 と、言ってはみたものの。


 あんたって、今のじょうきょうが、わかっていないんじゃない?


 ひと月前にあんなことがあったのに――

 のんきすぎるもの。


 何だかひょうしぬけよ。

 こっちは、いざとなったら――

 すぐにでもお家を出て行かなきゃいけないかも――。

 と思っていたのに。




 もしかして、まだ――

 何かのまちがいとか、じょう談だって思っている?


 だったら、日記に書いた文字じゃなくって。

 直せつ伝えないといけないのかもね?


 後で私のお部屋へ来て。

 多分、すぐすむから――。

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