3月14日(木) 五女・巴 「ホワイトニング」
パパ、はい……。
さあ、どうぞ……♪
ホワイトデーだから――
みんなでパパに……チョコをあげる……♡
バレンタインで……全力を出したから――
今回は……みんなでひとつの……チョコだけれど。
その分……とっても大きいわ……♪
理沙姉さんたち……こだわりのラッピングも……ぜひご堪能あれ……♪
何だか……キツネにつままれた……ハトのような顔ね……。
今日、チョコをもらうのが……そんなに不思議……?
パパはちゃんと……告白してくれたもの……。
これは……そのお返し。
がんばったら……ごほうびをあげるのが……私たちの流儀……♪
大きすぎるなら――
手伝うわよ……。
いっしょに食べる……?
それとも――
何としても……全部ひとりで……食べたいかしら……♪
そんなに鼻息を……荒げなくたって――
チョコは逃げないわ……。
私たちのチョコを……求めるパパ――
本当に……可愛い人……♡
あら――
パパもお返しを……くれるの……?
これはありがたい……。
抱いて寝るわ……♡
しかし、ここ最近――
友だちからもらった……チョコをたくさん……食べているから――
少し心配……。
近々――
歯が……抜けるかもしれないわ……!
ママや姉さんたちは――。
「乳歯は抜けても平気よ」
……と言うけれど。
私は認めない……。
乳歯といえど――
歯が抜けるなんて……恐ろしいことは……絶対に避けるべき……!
……私は思うの。
徹底的に……磨き上げれば――
乳歯だって、一生……抜けることなく……済ませることも……可能だって。
そういう……問題ではない……?
いえ、やってみるべきだわ……。
歯が抜けるほど……怖いことはないもの……。
だから、今夜は――
しっかり見て……。
丁寧に……歯みがきするなんて――
私ひとりで……できるわけは……ないのだから――。
一本一本……じっくり磨いて――
どんな兆候も……見逃さないで……。
正直……歯みがきは面倒……。
けれど……暗黒の未来を……回避するためなら……私は耐える……。
メロンソーダの……歯みがき剤と――
パパがいっしょなら。
ずっとお口を……開けてなきゃいけない……つらさも。
ブラシが……ごしごしする感覚も。
我慢できる……かも。