9月11日(日) 三女・凛 「服へのイシキ」
昨日は、美貴に連れられて――
街で、お店を見てきたわ。
服とか小物とか――
美貴が好きそうな、キラキラした感じのを、色々とね。
どうせ大したものを買うお金なんてないのに――
美貴ったら、どうしてあんなに、はしゃげるのかしら?
あの子の考えていることは、よくわからないわ……。
でも、ついていく私も、私かしらね。
行く理由なんて、何もないのに――
ついつい美貴のペースに、乗せられてしまったわ。
あの子って、そういうところがあるのよね……。
「どうせヒマよね? せっかくだから、カワイイお店、いっぱい見せてあげる~♡」
なんて言って、さそってきたけれど――
私がいつ、そんなことをたのんだのよ?
そもそも――
私は全然、ヒマじゃないし。
勉強をしたり、整理をしたり、図書室で借りた本を読んだり――
することは山ほどあって、これでもけっこう、いそがしいんだから。
ま、行ってしまった後だし――
これ以上、もんくを言うつもりはないわ。
美貴がムダづかいをしないように、カントクできただけでも――
ついていった意味は、あったかもしれないしね。
私は――
ペンギンとイルカの消しゴムだけ、買ったわ。
けれど、やっぱり――
美貴や、その友だちが、あんなに服にこだわるのは、りかいできないわね。
私は、そういうの、あんまりきょうみないの。
別に、よごれていたり、やぶれていたり――
みっともなくなってさえいなければ、それでいいと思うわ。
あえて言うなら――
黒とか、白とか――
水色とか。
そういう色で、あんまり目立たない服が、いいかもしれないわね。
あんただって――
どうでもいいでしょ?
私が、どんなかっこうをしていたって。
きょうみもないし、気にもならない――
それが、ふつうよね?
少なくとも、美貴が言うように――
「いつもと一味ちがうコーデに、ドキドキしちゃう」なんてことは、ないはずだわ。
それとも、もしかして――
気になったり、するの……?
……。
まさか、ね……?
もし、そうなら――
本っ当に、気持ち悪いわ!
まったく――
娘に、何を期待しているのかしら。
あんたなら、ありそうなことだけれど。
もしもあんたが、娘の服そうをイシキするような、ヘンタイだって言うなら――
これからもっと、気をつけて――
ヘタなかっこうは、しないようにするわ……。




