6月19日(日) 【4】 五女・巴 「約束された幸せ」
今日は『父の日』ということで――
父と娘の関係について、少し考えてみたわ……。
父と娘の関係――
それって、どういうものなのかしらね……?
もちろん、人それぞれで、違うだろうけれど――
我が家に限って言えば――
はじめから約束された、恋人たちのようなものね……♡
ああ、これは――
いつも言っている、前世から結ばれているから――
とか、そういう話ではないわよ……?
もちろん、それはそれで、事実だと思っているけれど――
それを抜きにしても、運命的だって話ね?
だって、私たちが生まれたときから、パパはずっとそばにいて――
今も、こんなに愛し合っているんだもの……♡
それも、八人の娘、全員とよ?
こんなに素晴らしい、めぐり合わせ――
運命としか思えないわ……♡
別に、運命の相手は、必ず一対一じゃなきゃいけないって、決まりはないもの……。
パパも、ママだけじゃなくて――
八人の娘、全員と結ばれる運命を――
受け入れてみては、いかが♡
パパは――
この運命を、どう思う……?
何だかヘンだとか――
間違ってるって、思うかしら?
それとも――
最高に幸せって、思ってくれる……?
私が思うに――
私たち家族の人生は――
どこまでも幸せで、ハッピーエンドが約束された――
いいえ、ハッピーでエンドレスな、物語のようなものなの♡
我が家は、家族みんなが仲よしな、幸せな場所だと思うけれど、それだけじゃなくて――
お家の中よりも、もっと広く、もっと先へ――
世界中まで届いてくような、幸せな愛の物語……!
言うなれば――
ホームドラマの枠をこえて――
壮大なSFや、年代記の域にまで達するような――
ラブ・ストーリーね♡
パパといっしょの私は――
そんな物語の中を、生きているような感覚よ……♡
凛姉さんは――
「世の中を甘く見過ぎ! 現実はそんなに、簡単じゃないと思うわよ?」って、言うけれど――
きっと大丈夫。
こんなに素敵な愛情の、存在している現実が――
そうひどいもので、あるはずがないもの……。
それはそうと――
プレゼントのアルバムは、どうだったかしら……?
写真のチョイスに、みんなの個性が出ているわよね……♪
写真のほとんどは、私のマシンちゃんに入っているデータから、とってきたものだけれど――
編集は、みんなでしたのよ♪
写真の数が膨大で、一人じゃとても、決めきれないわ……。
私の一押しは――
パパが私に、パソコンを教えてくれている写真ね……!
すぐに立場が逆転して、私がパパに、教えるようになったけれど――
すべてはここから始まったの……♡
世界を広く知るための、手段をくれたこと――
とても感謝しているわ……パパ♡
私がマシンちゃんや、ネットを使えているのは――
パパのおかげよ♪
パパっていう大きな星が、私の胸の真ん中で、いつも輝いてくれているから――
情報の海に出ていっても、迷っておぼれずに、いられるのよ……♡
この後、私は――
夕食の用意があるわ……。
でも、パパは――
ゆっくりしていて?
もし、どうしても、台所の様子が気になるなら――
エプロン姿の私たちを見て、にやにやしていてくれると――
みんなの、励みになるわ……♡
夕食作りの、私の担当は――
きっと、おにぎりね。
それくらいしか、できそうにないもの……。
ああ――
昨日のおにぎり作りを、思い出すわ……。
別に、辛い作業ではなかったけれど――
握った数が、あまりに多かったの……!
まだ手の中に、ごつごつした、ごはんのかたまりの感覚が、残っているわ……。
昨夜は夢の中でも、おにぎりを握り続けていたのよ……。
やっぱり、凛姉さんの言うとおり――
世の中、幸せなことばかりじゃ、ないのかもしれないわね……?




