4月3日(金) 凛 「気にしないで」
……凛よ。
何だか最近の日記でよく、私について、余計なことが書かれている気がするのだけれど。
気のせいかしら。
分かっているでしょうけれど、みんなが色々と書いていることは、気にしないで。
あること、ないこと、勝手に書いているのよ。
私はあんたのことなんて、全然、気にもしていないんだから。
もう10歳になるし。
親に甘えるような歳でもないわ。
――――でも昨日、公園で、砂場に倒れ込んでしまったことは本当ね。
私のせいで、華弥が作っていた砂のお城と、優結が砂場に書いていた絵が、崩れちゃったの。
2人には、悪いことをしたわ。
もっとも、2人は、残念がるどころか、笑っていたけれど。
私がコケたことが、よっぽど面白かったみたい。
……ま、泣かれるよりは、よかったわ。
華弥なんて、「ゲイジュツは、はかないから、いいんですよ」って、何だか難しいことを言いだすし。
あんたは、昨日の話を聞いて、私にケガはなかったか、とか、心配していたようだけれど。
あんたが気にするようなことは、何もないわ。
私のことは放っておいて、自分のことだけ考えていて。
季節の変わり目は、疲れやすいって言うし。
あんたに何かがあったら、困るのはこっちなんだから。
……でもママから、昨日のことを説明するように言われているから、一応話しておくわ。
砂場近くの溝の網に、愛のクツが、挟まったの。
なかなか抜けないようだったから、私が後ろから愛を抱えて、引っ張ったのだけれど――――
勢い余って、後ろの砂場に、倒れ込んじゃった、というだけ。
愛はコケなかったし、クツも無事抜けたわ。
あの子、運動神経いいわね。
――――だから本当に、大丈夫なのよ。
私も、倒れた先が砂場だったから、ケガも何もなかったし。
……砂まみれには、なってしまったけれど。
ただ、スカートやクツの中にまで砂が入ってしまって、それは困ったわね。
巴には、デジカメでムービーを録られてしまうし……。
もちろん、すぐに消すようには言ったけれど、信用できないわ。
あんなブザマな姿、残すわけにはいかないのだけれど。
でも、巴がカメラを回していたおかげで、華弥と優結の力作は、ちゃんと記録されているわ。
せっかくだから、見てあげたら?
私に構うより、そっちのほうがいいわよ。
もし、私のムービーが残っていたら――――絶っっっ対に見ないで、すぐ消してよね!




