1月31日(日) 巴 「とろとろ」
ああ、寒い……。
寒いわ……。
暑いと頭の回転が悪くなるものだけれど――
寒すぎるのもダメね……。
あんまり寒いから、お部屋から出てきて、居間のこたつで、この日記を書いているの……。
お部屋も、あたたかくしてはいるけれど――
何となく、居間のこたつのほうが、ぽかぽかするのよね。
みんなが集まる場所だから――
みんなの体温が混ざりあって、あたたかくなっているのだと思うわ……♪
こうして書いている今も、優結がくっついてきているわ。
少し書きにくいけれど――
あたたかくて気持ちがいいから、まあいいわ♡
優結って時々こうして、誰かが書いている日記をのぞきにくるのよね。
優結はまだ自分一人では、日記を上手に書けないから――
姉さんたちの書き方をマネしようと思っているのかしら?
可愛いわね……♡
でも……
よだれには要注意ね。
優結ったら、スキあらば何でも食べようとするんだもの。
前にも折り紙をムシャリとしかけていたし――
パパへの大事な日記を捕食されないように、保護しておかないといけないわね……。
優結も少しは大人になってきたかと思っていても、そういうところはなかなか変わらないから、油断できないわ。
だってもし、日記や手紙を書くたびに、優結がムシャリ、ムシャリとしちゃったら――
パパと私は延々と用事を尋ねあうことになっちゃって、困るもの。
それこそ、優結の好きな『やぎさんゆうびん』の歌詞みたいに。
でも、パパとエンドレス文通をするのは――
それはそれで、素敵ね……♡
……ええと、今日は何を書こうとしていたのだったかしら……?
……そうそう、今日1月31日は――
『愛妻の日』よ。
“1”をアルファベットの“I”ということにして、“あいさい”ね。
いつもラブラブな、パパとママのための日って感じね……♡
……本当にパパとママは、いつだってすごく仲よしなんだもの。
――少し、やけちゃうわ……。
もちろん仲よしなほうが私もうれしいし、そんな2人が大好きよ。
パパとママがラブラブなおかげで、私たちが生まれてこれたんだって思うし……。
でも、それとこれとは話が別なの。
やっぱりパパの娘に生まれたからには――
パパを一番支えられる存在に――
ママみたいな存在に――
なりたいって思うわ……。
きっと姉さんたちも、そう思っているはずよ……?
だからパパ――
私たちにも、甘えてね?
パパのお話を何でも聞くし――
うーんと、甘やかしてあげるわ……♡
何なら、ママにも見せられないようなところも、見せてくれたっていいのよ……♡
……ナマイキなことを言ってるって、思うかしら?
自分のことも、しっかりできてないのに……って。
でもね、それとこれとも話が別なの。
朝に自分で起きられなくたって――
パパを甘やかすことくらいなら、できるわ♡
ウソだと思うなら、試してみる……?
パパのこと――
とろとろに、甘やかしてあげるわ……♡




